|
[ 単行本 ]
|
パラドックス13
・東野 圭吾
【毎日新聞社】
発売日: 2009-04-15
参考価格: 1,785 円(税込)
販売価格: 1,785 円(税込)
Amazonポイント: 17 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 775円〜
|
・東野 圭吾
|
カスタマー平均評価: 3.5
あ?しんど… 長くてうんちくありすぎでイライラ…挙げ句の果てに子孫残し?!女性陣はどん引きですよ?。 無理を感じました 面白いかと聞かれれば、退屈はしないかな、というレベルのものは感じます。
で、これは何小説でしょう?
『漂流教室』を思い起こさないこともなかったですが、レベルが違います。
次から次へと問題を起こして、追い詰められた登場人物を描いていますが、強引さを感じさせられ、苦笑してしまうところもありました。
このパラドックスに関する説明ももう少し必要だと思えますし、元の世界に戻ったあとの人物の動きや心理の描写にも物足りなさを感じます。
売れっ子になってしまって、とにかく書いて世に出すことに追われてしまっているように見えてしまいます。
社会派小説には期待感があるのですが、この作品は期待はずれでした。 おもしろい 私は二日で読み終えました。サクサクと読めると思います。ちょっと中間でマンネリ化しますね…でも自分だったらどうするのか考えたりしました。好き嫌いが分かれる作品かなっと思います。 大人気流行作家先生 今や出せば内容に関わらずベストセラーになってしまう、飛ぶ鳥を落とす勢いの大物大人気作家の最新作。 期待に胸を膨らませて読み始めるとなんですかこれは! これは小説ではないですよ、小説になる前のいわゆる筋書き(プロット)のちょっと詳しいもの。 小説はここから人物を掘り下げて描いたり、文章の推敲を重ねて贅肉をそぎ落としていくものです。 人物が全く描けていないから、誰もが平面的で、共感を呼ばず、感動できないのです。新聞連載で締切に追われて、他の作品も抱えてとても推敲どころではない作者の様子が目に見えるようです。 新聞社ではなく一流出版社の依頼ならこんな内容では出版していないだろうと思います。 出版に当たって新聞に掲載したものに全く加筆修正もされていないようですから、読者もなめられたものです。 ガリレオシリーズもそうですが、何か面白そうな物理現象を見つけてそれをヒントにちゃっちゃっとストーリー(小説に非ず)を書いちゃうのが上手ですが、読者は置き去りにされてしまいます。 赤白縞模様の服で有名な巨匠漫画家の「漂流教室」の方が100倍面白くて感動できます。
新境地★ P13現象により東京の人々が突然消えた。物語の中心となる9人は、雷鳴と地震が繰り返す中で、死後の世界を彷彿とさせる過酷な環境に投げ出された。1日でも多く生き延び元の世界に戻るため、より安全な首相官邸を目指すことに。そこで、P13現象について驚くべき新事実を目の当たりにする。
この世界は数学的矛盾、パラドクスを解消するために作られた。この状況は、人間が生きうる限界点である、と。生きるのか、死ぬのか―。9人は選択する。幸せとは、生きるとは、人生って。。。?と再考させられる一冊。
SFにして、テンポの良さが痛快で、恐怖心からもつい読みふけってしまう。ぜひ映像でも見てみたい。東野圭吾のエンターティメント性に感服です。
|
|
[ 文庫 ]
|
容疑者Xの献身 (文春文庫)
・東野 圭吾
【文藝春秋】
発売日: 2008-08-05
参考価格: 660 円(税込)
販売価格: 660 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 32円〜
|
・東野 圭吾
|
カスタマー平均評価: 4.5
噂に違わず傑作 これはすごい。
見事に騙された。
トリックがあまりに秀逸。
天才物理学者の湯川VS天才数学者の石神。
元旦那を殺害した女性に石神が救いの手を差し伸べる。
物語は淡々と進行するが、残りの数ページであなたは驚愕の事実を知る。
こんなトリックを誰が予想できただろうか。
惚れた女性のために自らを犠牲にした石神。
これが本当の愛なのか。
友人に紹介し、共に大いに語り尽くしたい。
そう思わせる作品である。
映画版も是非チェックしてみたい。 ガリレオの中で一番面白い たんたんとストーリーは展開していきますが、飽きること
なく次々と読めます。ガリレオシリーズの中で一番好きな
作品です。最後までドキドキできます。ラストはもっと
ドキドキします。 引き込まれる 非常に読みやすく、面白い作品。
状況が目の前に浮かんできて
あっという間に読み終えてしまった。
オススメです。
面白いストーリですけど、あまり数学的ではありません。 面白いストーリーで、最後にどんでん返しがあるので、読み応えがありました。このような作品は面白かったら勝ちだと思います。
ただ、いくつかの問題点を感じました。
いろんな人が書いているように、何故そこまでして命がけでかばうのかという問題。理由は一応ありますが、納得できません。
物理学者の湯川学がトリックを見破った理由が理解できません。個人的な経験では数学者の思考と実験物理学者の思考は相当違っているので、不思議ですね。理論物理学者の中には時々数学者的な人がいます。
それから、多くの人がこの本を読むことで数学に魅力を感じているのは嬉しいのですが、数学を研究している者として、この本の中に出てくる思考パターンと数学の関連はあまり感じられません。
そして最後に、数学者というと石神のようなタイプではないかという偏見があるのかもしれません。私は、あのようなタイプの数学者には会ったことはありません。頭の中では抽象的な思考を徹底的にやるけど、日常では忘れ物が多かったり、おつりを間違えたりで、寡黙でなく、おしゃべり好きだったりというタイプが普通だと思います。
それから、数学者は普通この本に出てくるような世紀の難問にばかり挑戦したりしません。
4色問題、リーマン予想、NP問題を目指す人がいたら、頭がおかしいと言われるでしょう。世紀の難問だけに人生を懸けるのは、野球選手なら時速165キロを投げようと目指したり、最長ホームランの記録を目指したりするようなものです。野球でもそのような記録でないところに沢山面白さがあります。数学も同じです。研究の中でたまたまその方向へ行くことはあるでしょうけど。 最後まで、飽きさせない展開 こんなにも献身的な愛があるなんて!と感動したのと同時に
数学って本当におもしろい!と思いました。
最初から犯人はわかっているにも関わらず、
謎解きの楽しさや伏線の巧みさ、様々な登場人物の視点での語りなどで飽きさせません。
湯川と石神の関係の描き方も好きです。
もしも途中でトリックがわかってしまっても
最後の数ページ、必見です。
|
|
[ 文庫 ]
|
白夜行 (集英社文庫)
・東野 圭吾
【集英社】
発売日: 2002-05
参考価格: 1,050 円(税込)
販売価格: 1,050 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 320円〜
|
・東野 圭吾
|
カスタマー平均評価: 4.5
純愛… すべての本において言える事ですが、読む人にとって物語の捕らえ方は分かれると思います。
特に『白夜行』では賛否が分かれるようです、この本を私は2回読みました、張り巡らされた伏線と点と線で結ばれていく真実、醜い犯罪、二人の過酷過ぎる過去、男は『昼を歩きたい』と語り、女は『太陽などなかったとただ太陽に代わるものがあった、それで十分だったと』語る、確かに二人の愛は歪んでいたかもしてないが純愛である事には変わりはない、本当に愛し合っていたからこそのラストだったと僕は思う。とても読みやすいが、伏線を見落とさないように集中して読む必要がある、3度目を読むときはまた新しい発見があるかも。 作者の思いは…その先。 氏の作品は全作品読んでいるが、ほとんどの作品で、日常では忘れている(または感じる機会が少ないのだが)感情を思い起こさせてくれる。あくまでも私にとってはだが、至る所で哲学・道徳・倫理・本当の正義とは?など、素人の私には表すことのできない気持ちを見事に言葉にして表してくれる。スパイス的な軽いものでは無く、重いものが多い。そこが、言葉は悪いが他の薄っぺらい作家達とは違うのだと思う。以前読んだインタビューで東野氏は『作品は世に出した後は自分のものではなく読者のもの。』と話していて、だからこそ読者がどう感じようと、それぞれ自由でいいのだと言っていた。うまく表現できないが、逆説的にそれこそまさに東野氏が狙っているところであると思う。何が逆説的かというと、レビューのようにこの作品を読んで、単に不快だとか気持ち悪くなったとか、読後感が悪いとかいう気持ちになった人。ただ読んだだけではそれだけの感想なのかもしれないが、そこから先が作者の狙うところなのではないか。読者をそういう感情にさせるのは当然作者の狙うところであって、そこから心ではなく頭で深く感じてほしいのだと思う。素人の私には全くうまく伝えられないが、とにかくただ感情だけで読むものではないのだと思う。愛のない夫婦や、愛のない少年、愛のないそんな人間を多く描く作者自身はめちゃくちゃ愛に溢れていると思うのだ。だから私は東野作品が好きなのだ。 尊敬しちゃう。 オイラは、こんな文庫本なんて自分が読み終えられると思っていなかったけど、なぜか買ってしまい
そして、2日で読み終えました。
何かに取り憑かれる様に読んでしまったのです。
傑作と言わずして、なんと呼べばいいのでしょうか?
物語のドコドコがこう面白かった、とかそんな小難しい事は言えないけど、とにかく面白かった。
問答無用に★五個です。 暇つぶしに最適 世阿弥の有名な「秘すれば花なり、秘せずば花なるべからず」を実行した小説。東野が読者に想像させるのは「白夜」に対する(他の方も書かれた)「極夜」、つまり描かれていない亮司と雪穂そして二人の心。読者の想像力頼みの小説だから、当然評価は両極端に分れる。最も想像力を発揮したのは、勿論ドラマ化の脚本を書いた森下佳子。そして森下が描いたドラマが、多かれ少なかれ読者の想像する「極夜」に影響を与える事になり、東野もその影響を認めたと解釈していいだろう。ドラマ化の許可を与えたのは東野自身と考えて間違いないだろうから、森下が描いた「極夜」は、少なくとも間違ってはいないという事だ。内容は、少なくとも『セカチュウ』より断然面白い。多くの方が書かれた様に一気に読ませる力がある。だが、東野の日本語に綻びがあり意外と目立つ。笹垣刑事と亮司との最初の出逢いの場面で早くも東野の集中力が切れている。1973年を舞台にしているのだから、亮司の描写になぜ「暗さ」の代わりにベトナム戦争の写真を使わなかったのだろう?そして目に不快な日本語が所々現われ、終盤、篠塚一成が笹垣刑事と出逢う時、笹垣の声の描写に「粘着質」が出た時にはこの本を投げ出したくなった。東野は素人か?もう一つの欠点は19年の重さと長さと深さが表現されてない。このため亮司と雪穂が犯した(と思われる)犯罪の重さも弱くなっている。19年を象徴するのが笹垣刑事で書き込むのは可能だが、そうすると笹垣が必要以上目立ち他の物語になる。この矛盾を解決したのが森下脚本家でドラマの方が遙にいい。また鋏の使い方も弱い。切絵の船と共に物語が出帆し、命を断ち切り物語が終わるだけ。暇つぶしに最適な本にすぎない。 長い…けど読みやすい ドラマの再放送を見て、 あらためて原作を読んでみたいと思い、早速読みました。850ページ以上あって分厚すぎて読んでる最中も手が痛くて大変でしたが、皆さんがおっしゃるようにかなり読みやすくてスイスイ読めました。雪穂と亮司の心理描写が全くない、というところがドラマとは違って良かったです。けどドラマを知る前に読んでいたかった…。
|
|
[ 文庫 ]
|
秘密 (文春文庫)
・東野 圭吾
【文藝春秋】
発売日: 2001-05
参考価格: 700 円(税込)
販売価格: 700 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 220円〜
|
・東野 圭吾
|
カスタマー平均評価: 4
鬱小説の最高傑作 この絶望感どうしてくれよう。
鬱。
男女、子持ちか否かで評価が分かれそうな作品。
鬱。 娯楽性の高い、面白い作品です。(感動したくて読むのはおすすめではありません) 東野さんの作品はいくつか読みました。この作品は名前だけは知っていたのにずっと読んでいなかったので、図書館で見つけたときにあらすじも何も知らず(つまり先入観なしで)読みました。
いや、面白いですよ、さすが東野さんと思いました。
ほかの東野さんの作品と同じく、ことが順調に(物語として面白くなるよう、ちょっと強引に)運びすぎるきらいはありますが。
モナミさん(直子さん)は平介さんに「秘密」を知らせようと意図したのかしていないのか、私にはわかりません。でも、私が同じ立場で、どうしてもその秘密を知られたくなかったら、たぶん別のところに頼むでしょうね。あんなに用意周到な彼女だから、へたなことはしないはず。たぶん知らせようとしたのだろうなと思います。もし作者が、”モナミさん(直子さん)が意図せず平介さんが秘密を知ってしまう”という展開を描いたのだとすれば、それは無理かな、と思いました。
(意図していたかしていないか、はこの作品にとって大切な問題なのですが、たぶん読者によって読みとり方が異なると思います。)
ここに来るまえに、星3つ?1つという評価をされた方々のレビューも読みました。そちらのご意見も、ごもっともというものが多いです。感動を求めて作品に真摯に取り組まれる方は、読んでいて失望してしまうかもしれません。私が星4つにしたのは、娯楽作品・ファンタジーとして楽しめたのでということです。
前述のとおり登場人物の思考回路が時々おかしく感じ、「あらやだ、なんなの、このままだと一体どうなってしまうのかね?」という感じで先へ先へと読めましたよ。私だったらこうするのに、自分だったらこう感じるのに、というところばかりひっかかってしまうと、読みづらい作品なのではないかと推測します。
読者の性別、既婚未婚、子供がいるいないで評価がわかれるかもしれませんね。
ナイーブな男性陣は結構つらかったかもしれませんね。
読まなければ良かった・・・ 実は、最近になって東野圭吾という作家を知ったので、
今頃になってこの作品「秘密」を読みましたが、
「白夜行」「幻夜」と同様、やりきれない気持ちで読み終えました。
人格が入れ替わるといった設定では、「四日間の奇蹟」と似ていると思いますが、
こちらの作品の方がはるかに、泣けるし、最後もスッキリとした気持ちになれます。
「白夜行」「幻夜」もそうですが、
主人公の男が想いをよせている女性は、主人公とは別の男と結婚し、
新しい出発を感じさせますが、
一方の主人公の男は、死亡するか今作品のように絶望的な状況で終わります。
この辺りが男性読者と女性読者の感想が分かれる部分でもあるのでしょうか。
また、妻と子供(娘)どちらを優先するかとなったとき(←極限状態ですが)、
妻、と言い切れる男性は自分だけではないはず。
それだけに、やりきれない気持ちでいっぱいになりました。
とにかく、この「秘密」では、できれば山下公園でのシーンで終わって欲しかったのですが、
そこで終わらないのが東野圭吾のスタイルなのでしょう。
ならば、今後は、この作者の作品を手に取る事はないかもしれません。 一番つらい失恋 男性にとって愛する女性を失うケースは大きく分けて二つあると思う。
1.「病気、事故などで亡くなってしまう」
2.「他の男性に奪われてしまう」
1はもちろんとても辛いが他の男性に奪われたわけではないという救いがまだある。
2は自分の努力次第では奪い返せる可能性がある。
この本のケースは1+2の様なものである。
愛する女性が自分とは永久に結ばれることはない存在になり、他の男性に奪われることが一番辛い失恋の形だと思った。
最後の2ページで… 何だろう…。この感じ。最後の2ページで呆然としました。 あまりの最後に思考が追いつかず、『え…?は……?えぇっ!』ともう一度読んでしまいました。読んでいく中で、女性として直子の気持ちも分かるし、平介の気持ちも痛いほどわかる。東野さんの作品だからこそ、直子が消えてモナが復活!なんてありきたりな終わりはないと思っていたけど。 何とも言えないこの感じ。久し振りに出会いました!読んで損することなし!
|
|
[ 文庫 ]
|
悪意 (講談社文庫)
・東野 圭吾
【講談社】
発売日: 2001-01
参考価格: 660 円(税込)
販売価格: 660 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 100円〜
|
・東野 圭吾
|
カスタマー平均評価: 4
悪意に理由はない 人間の心の奥底に潜む理由なき"悪意"―
その、一種の執念とも言えるものをここまで徹底的に突き詰めた東野さんに感服。
手法も斬新で、犯人の手記と加賀刑事の記録、独白、回想・・と、それぞれの側から交互に語られていく。
なので、前半で早くも犯人が分かってしまって、まさか後半全部使って種明かし?と、一瞬興ざめしたのもつかの間。
物語はそこから二転三転し、最後には「やれれた!」と叫んでしまった。
ものすごくダークだが、数ある東野作品の中でも個人的に上位にランクインする1冊。 内容と読後感 がかなり気持ち悪い。そして動機が、おそらく意図的にスッキリしないように描かれてるため私には受け入れられなかった。 最後までグイグイ引っ張る 本作は、ある人気作家の殺人事件を巡り、
被疑者となった友人と彼を追及する刑事との回顧を交互に配置して、
鮮やかなアリバイ崩しや、それをはるかに上回る事件の背景、
さらにタイトルともなった大小の悪意、
そして、本件の動機ともなった底知れぬ悪意を描き出すものです。
早い段階で犯人は明らかになるものの、
一見単純とも思えた事件の背景と動機とが二転三転していきます。
ちなみに、本件に描かれた細かい設定はすべて意味を持っています。
よもや、本件がこれほどの拡がりを持つとは…。
思わず、真相を追う加賀刑事と同じ感想を抱かされました。
また、真相につき、加賀刑事も思い当たる節のある、
大きな社会問題についての問題提起が織り込まれているのも秀逸だと思います。
決して後味は良くありませんが、一読に値する作品です。 す、すごい小説・・・ 手記のみで事件が進んでいき、
しかもその内容が真実とは限らない・・・。
とっても斬新な描き方で東野圭吾すげー!
と思わずにはいられませんでした。
どんでん返しも1回のみではありません。
繰り返し読みたくなる小説もそんなにないですが、
これは間違いなくもう1回読みたくなります。
伏線につぐ伏線の数々!ほんとに東野圭吾スゴイです。
読んでる途中でも何度となく読み返しました。
犯人の悪意もほんとに陰湿で
そのためにここまでするか!?と言いたくなります。
伏線好きならぜひ。 加賀恭一郎シリーズ 東野圭吾の大得意であるミスリードを最大限に生かした作品かと思います。
最初から最後まで騙され続けました。
まさかこんな所で著者の術中にハマっていたのか!!?という感じです。
発端の殺人事件は割とあっけなく解決してしまうのですが、それこそがこの物語の序章だったとは終盤に入ってやっと分かりました。
その捕まった犯人が決して語らない「殺人の動機」。
この作品は、
人が殺人を犯す動機はなんなのか?
この事に焦点を当てて加賀刑事が推理していく事で進んでいきます。
あらすじの説明をもう少ししたいと思ったのですが・・・難しいですね。特にこの作品は。
とにかく、東野圭吾の読者の意表をつく作風が好きな人は読んでみましょう!!
とんでもない結末に驚くことかと思います。
|
|
[ 単行本 ]
|
聖女の救済
・東野 圭吾
【文藝春秋】
発売日: 2008-10-23
参考価格: 1,700 円(税込)
販売価格: 1,700 円(税込)
Amazonポイント: 17 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 693円〜
|
・東野 圭吾
|
カスタマー平均評価: 4
東野圭吾の最高傑作 長編としての前作『容疑者Xの献身』は、メロドラマに傾きすぎたがために、却ってトリックや登場人物の言動などに、不自然さの目立つ仕上がりになっていました。この『聖女の救済』は、謎解きに徹することで、犯人の悪魔性を浮かび上がらせることに成功しており、厚みのある素晴らしい本格ミステリになっています。
某所で本書のトリックを「小粒」と評している書評を見かけ、唖然としてしまいました。本書のトリックのキモは、犯人が行ったあるちょっとした工作にあるのではありません。工作をした後で犯人が行ったある行為こそ、本書のトリックのキモであることぐらい、ちゃんと読めば分かるでしょうに。実際に自分の近しい人が、こんな行為をしているところを想像したら、これがいかに人間の恐ろしさを浮き彫りにしたトリックなのかがよく分かります。
容疑者がほとんど限られているのに、犯人当ての興味が無くなっていない点も素晴らしいですね。土屋隆夫の某長編を連想しました。
伏線も綿密に張られていますし、ラストで明かされるある趣向も、単に「おまけ」的なものでなく、本書の構成の美しさを際立たせることに成功しています。
個人的には、東野圭吾の最高傑作と言いたいほどの出来。文句なしの傑作です。 犯人の存在感 映像を観たせいで湯川の声が福山雅治さんの声になり、時々内海刑事が柴咲コウになってしまう。この小説は映画にはならないのだろうか。映画になるのなら犯人はどんな俳優さんが演じるのだろう。この本の犯人は怖い。この怖さ、存在感は想像の世界にのみにあるような気がする。東野さんの挑戦だろうかと思った。トリックがもう少し納得させられるものだったらもっと嬉しかった。 タイトルの意味がわかったときゾッとしました 犯人はわかっている。でも、その人物には鉄壁のアリバイが・・・。
どうしてその人物に犯行は可能だったのか・・・・。
緊迫感やスピード感は少ない物のただ一つの答えを追い求めるだけのシンプルさで読者をグングン引っ張ります。
最後の方でタイトルの「救済」の意味がわかったときはゾッとしました。
通常ではありえないようなトリックを可能にさせたのは犯人の凄まじいまでの執念・・・。
綾音さん、宏美さん、潤子さん・・・女心の深みを解き明かすには、やはり内海刑事の女性ならではの発想は不可欠だった。
はじめはいつか映像化するために無理やり登場させたキャラに思えたけど、
内海刑事なしではこの事件の本当の意味での解決は不可能だったかも!?
今作の主人公はあくまで女性たち。
トリックの不可能さに驚くよりも、女の情念の深さを読むべき作品だと思います。 逆転の発想 本作は、ガリレオこと湯川准教授が活躍する長編の第2弾です。
「容疑者Xの献身」「悪意」「眠りの森」等の要素が盛り込まれていると思いました。
すなわち、被疑者の直情、犯行方法と動機の解明が主眼、刑事の心の動揺、
といった要素が本作を構成していると思えるのです。
特に好きなのは、草薙刑事の揺れる想いであり、冷徹に振舞うべき捜査官が、
ほのかに抱いた恋愛感情に苦悩するという心理描写に共感を覚えます。
新キャラ内海刑事の融通が利かないとでもいうべき、冷静沈着ぶりも、
草薙の揺れを浮き彫りにする効果を発揮していると思います。
反面、犯行方法と動機については、
「虚数解」というキーワードに象徴される、
殺そうとするのに…という、逆転の発想に目新しさを感じますが、
どうも非現実的に思えてなりませんでした。
ガリレオ長編としては、「容疑者X?」の方がお薦めではあります。
微妙だなぁ。。 「容疑者x」以降、東野さんちょっとパワーが落ちてるような気がする。
もちろん今作も、読み易さは抜群だし、そこそこ魅力的なキャラクターが出て、
まあトリックも(ありえないながらも)「ほぉ?」と感心するような内容です。
ただ、全てにおいて中途半端な感が否めませんでした。
まず刑事側が、草薙1人体制から草薙&内海の2人体制にシフトした事によって
どうしても焦点がぼやけてしまう。特に内海が中途半端。
各種のヒントや内海が綾音を怪しいと思う観点がどうも唐突すぎる。
で、それを「お前は勘が鋭いから」の一言で済ませてしまう。。。
あとは湯川。
今までも協力してもらってるからと言って、あれだけ内部情報をリーク
させるのはどうかと思うし、何だか物語を無理矢理収拾させるための
「都合のいいキャラ」に成り下がってるような。。
ガリレオ長編という事で、どうしても容疑者xと比較してしまうんですが、
あの時の湯川と石神の息がつまるような頭脳戦や、クライマックスの衝撃、
それらに比べると、何とも中途半端な感じがします。。
東野さん好きなんですが。。最近どうも、、ね。。
|
|
[ 文庫 ]
|
眠りの森 (講談社文庫)
・東野 圭吾
【講談社】
発売日: 1992-04
参考価格: 580 円(税込)
販売価格: 580 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 117円〜
|
・東野 圭吾
|
カスタマー平均評価: 4.5
東野圭吾お得意の純愛模様も織り交ぜ、読みやすい良作 月9の「ガリレオ」も好調なスタートを切り、今や押しも押されぬ作家となりつつある東野圭吾お得意の、恋愛+ミステリー小説。なんと15年も前の作品で、確かにポケベルの描写はあったけど、携帯電話の描写はまったくなく、15年で世の中だいぶ変わったなぁ、と感慨深くなる作品でもあった。
バレエ団で起きた、傷害致死事件。強盗に入ったと思われる男であったため、正当防衛となるかが鍵である事件だったのだが、様々な証言や捜査を進めていくうちに、状況がほころびていく。そして、バレエ「眠りの森の美女」の稽古中、バレエ団の目の前で第2の殺人が起こるのであった。。といったスタンダードなミステリと、浮世離れしたバレエ団の描写、刑事の加賀とバレエダンサー美緒の東野圭吾お得意の純愛模様も織り交ぜ、読みやすい良作に仕上がっている。
夢を叶えるためには、何かを犠牲にしなければならない 本作は、高柳バレエ団を舞台とする連続殺人・殺人未遂事件の真相解明に、
お馴染み加賀恭一郎刑事が挑むというものです。
バレエ団という、素人考えには非常に華やかに思える集団の舞台裏では、
バレエに全てを捧げたストイックな人間模様が展開している。
そして、加賀をはじめ、捜査官たちの予測は次々に裏切られていく。
ついに真相を見破った加賀の見たものは…。
タイトルの「眠りの森」とは、チャイコフスキー作曲の超有名作品に由来します。
ちなみに、魔法によって100年の眠りにつくこととなった悲劇の姫君の下に、
王子が現れるという筋が有名ですが、本作の「王子」とは…そう、加賀恭一郎なのです。
本作は、終盤の展開の美しさと物悲しさが印象的な、人気のミステリー作品です。
驚きと悔しさと爽やかさが共存している作品 タイトルの「驚きと悔しさと爽やかさが共存している作品」というのは東野作品で「推理小説」に分類されるものに共通していえることです。
いつも東野圭吾に勝負を挑み、負けています。読みながら、驚きの声を上げ、読んだあとは悔しくてしょうがありません。しかし、なぜか読んでしばらくすると爽快感が起こります。「本当に東野圭吾は素晴らしい作家だ」とこのときしみじみ思います。本作品でも、同様でした。
私は今後も東野圭吾に勝負を挑み続けます。そして、また同じことを繰り返していくことでしょう。 奇麗事なく非常にリアルに描かれています 加賀恭一郎シリーズ、第二弾。
バレエ団を舞台とした、一連の事件、そして加賀恭一郎とバレリーナ、浅岡美緒の悲恋物語。
あらゆる部分が、奇麗事なく非常にリアルに描かれていると感じました。
まず、捜査の進められ方。理論整然と捜査が進む、「いかにも小説」といった展開ではなく、捜査員が何度も何度もバレエ団を出入りする所や、状況から仮説を立てるにあたる、捜査員同士のやりとりなど、まるで現実の捜査模様を垣間見ているようなリアルさがあります。
また、バレエ団という特殊な団体の内情。日頃私達が舞台上で見るバレエの美しさではなく、その裏舞台で見られるダンサー達のストイックさ、そしてバレエ界の厳しさが強く強く伝わってきました。
そして、若き加賀恭一郎の、1人の刑事としての自分と1人の男性としての自分の狭間で微妙なバランスを保ちつつも捜査を進めている様子は、初めから激しく恋心を表に出すよりも、むしろその気持ちの強さを感じ、ラストはとりわけ胸が締め付けられるものを感じました。 加賀刑事の悲しい恋 加賀シリーズ2作目、とあるバレエ団で起きた悲劇の物語。
加賀刑事がバレリーナの1人である浅岡美緒という女性に恋をするのだが、
刑事としての彼の魅力と、1人の男性としての彼の魅力、その双方がたっぷり描かれている。
バレエってあまり馴染みのない世界だが、ダンサーたちの踊りに対するストイックな姿勢や人間関係、
それらの独特な空気がすごく分かりやすく書かれていて夢中になって読んだ。
想像を絶する努力で築きあげられた"プリマドンナ"の地位、
それはどんなことをしてでも、守らなければならないもの。
華やかな世界の裏側に隠された彼女たちの苦悩・・ちょっと悲しい物語だが、
加賀刑事の美緒に対するピュアな恋心がそれを大きく救ってくれているように感じた。
それがこの作品の醍醐味であり、全てである。
|
|
[ 文庫 ]
|
名探偵の掟 (講談社文庫)
・東野 圭吾
【講談社】
発売日: 1999-07
参考価格: 620 円(税込)
販売価格: 620 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 144円〜
|
・東野 圭吾
|
カスタマー平均評価: 3.5
楽しみ方がわからない 東野圭吾の作品は初めてですが、読むのが苦痛でした。
物語のお約束の解説が延々と続きます。
名探偵と警部のやりとりも退屈です。
ネガティブな切り口に、空想科学読本を思い出しました。
内容を知らずに買うと後悔します。
ドラマ化してますね 東野作品だったの知りませんでした。ドラマの印象がめちゃくちゃありますけど、見てみたいです。 ドラマを見た方には不評らしいですが、笑えます。 ドラマを見て原作を購入した友人に「イマイチだけど」と
貸してもらいました。
私はドラマを見ておらず違いが分からないのですが、
元ネタが分かる人には結構笑えるのではないでしょうか?
昔から推理小説好きの私は通勤電車でニヤニヤしてしまい、
ちょっと困りました。
ただ同じような展開が続いて中だるみ気味でした。
8編くらいだと飽きずに最後まで笑って読める本になったかも
しれません。
この方の本を数冊読みましたが、読みやすい文体で
さくさく読めると思います。
謎解きを楽しみながらも大笑いできる短編集です 全くの予備知識なく読んだのでびっくりしました!
とにかく面白い(ユニーク)です。
東野さん=ミステリーのイメージが強かったので、
こんな本を書いているなんて本当に驚きでした。
ちなみに『あの頃ぼくらはアホでした』は生まれ育った大阪での
少年時代から大学時代までのアホな体験記の書かれている
爆笑エッセー集もあるらしいので、そちらもぜひ読んでみたくなりました。
名探偵?である天下一と彼の引き立て役?の大河原警部との掛け合い、
既存の推理小説のお約束を痛烈に皮肉る。
東野さんの思考力、文章力があるからこそ成り立つ本です。
お勧めできる一冊です♪
読むに耐えられない 推理小説は昔から好きで、横溝から東野圭吾のガリレオシリーズまで幅広く読んでいるのでこの本で批判されているトリックを扱ったほとんどの推理小説は知っている。だから言わんとすることも分かる。
分かるけれど、けどこの本の書き方は私にとってはちっとも痛快ではなかった。
ありがちな事件の冒頭説明が始まる
↓
刑事と探偵が出てくる
↓
作者がめんどくさいのか状況説明は超雑で終わる
↓
その刑事と探偵が「またこのネタかよ、飽きた」だの「こんな陳腐なネタ、読者は喜ばないだろ」と散々愚痴をこぼす
↓
「面倒くさい」「こんなのの種明かしするのが恥ずかしい」と散々愚痴りながら名探偵が種明かしして終了
この繰り返しで、出てくる登場人物はとにかく面倒くさそうで、しかもやる気がない。作者も状況説明等かなり雑。そんなに面倒なら物語調にせずに、普通に批判エッセイなどにすればよかったのにと思う。
だから読んでいるこちらも読む気が失せる。テンションが下がる。
この空気がだらだらと繰り返される。
長い長い通勤電車で「これ読むくらいなら居眠りした方がましかも」と思ったのは正直この本が初めてです。
|
|
[ 文庫 ]
|
さまよう刃 (角川文庫)
・東野 圭吾
【角川グループパブリッシング】
発売日: 2008-05-24
参考価格: 740 円(税込)
販売価格: 740 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 100円〜
|
・東野 圭吾
|
カスタマー平均評価: 4
せめてもの救いが欲しかった…。 この読後感の悪さが、即ち少年法に対する虚しさに繋がるのだろうか…。テーマとして読み手に色々考えさせるという視点では、一応成功しているのでしょうが、一物語としてはあまりにも結末が…???。救われない。主犯格のカイジには明確な罰は与えられず、娘を失った親達の、胸を抉られるような叫びが残るだけ…。東野圭吾という作者の本は大概読後感が悪いが、これはその中でも抜きん出て不快感を与えられてしまうものです。とは言え、このようなテーマを敢えて書かずとも済む世界になって欲しい。カイジのような悪も、また、それを取り巻き犯罪に荷担するような悪も、消え去る日は来るのだろうか。 映画では全て表現できないと思うよ!! 「さまよう刃」は東野圭吾の作品で「パラレルワールド・ラブストーリー」の次に読んだ作品です!!2日で読み終わって良い作品だけど後味が悪いです(-"-;)オレがあの立場だったら同じ行動をとると思いました!!今年の秋に映画がやるらしいけど、どうでしょう?まずオレは観ないね!!何日かテンション下がるもん… 自分の娘だったら・・・ 非常に面白く読むことが出来たのですが、その一方で、ここに提示されている問題を考えると暗澹たる気持ちになりました。
物語は、娘をレイプされ殺された長峰を中心に展開します。
彼は、謎の密告電話を受け、その犯人の一人の家に忍び込み、そこで娘が残虐にレイプされているビデオを見ることになります。
そこにたまたま犯人が帰ってきて、彼は衝動的に刺殺してしまいます。
物語の本筋はここからで、殺した犯人から得た情報をもとに主犯の少年を求めて長野のペンションに出かけます。
この時の彼の心情を綴った手紙が警察に届けられ、やがてそれは全文がマスコミの知るところとなります。
この手紙の趣旨は、現行の「少年法」の問題点を衝いており、それは「少年法」が罪を罰する法ではなく守る法だということです。
いくら重大な犯罪を犯しても、名前が非公開なだけでなく、「更生させる」と言う名のもとに、処罰は軽く、何年もせずに一般社会に出てくるのです。
これに対して、娘の無念を晴らすために、復讐をする決意を主人公はする訳ですが、この本の上手さは、そこに警察を含めた様々な人々の考え方を提示していることです。
警察とは何か?何を守っているのか?
警察内部でも戸惑いがあります。
その他にも、同じようにレイプされ自殺に追い込まれた娘の父親や、長峰を匿い援助する女性なども登場します。
後半は、そうした人々の思いと共に、犯人がどうなるか?長峰は復讐出来るのか?といったサスペンスに満ちた展開で、読者を引きつけてゆきます。
それにしても、自分の娘がそうなったらどう行動するだろうか?
この思いが頭を離れないまま、読み終わりました。 ごっつく、ホネブト。 読み終わってからもう、一日近くたっているのに、どうしても感想が書けない。
それがこの本に対する正直な感想そのものだ。
強姦罪、少年犯罪、被害者の人権、残された家族、復讐・・
テーマもしっかり書かれており、加害者の少年は本当に嫌な奴だし被害者の少女の父親の苦しみと痛みも十分過ぎるほどに書かれているし、だのになぜか、感想が書けない。
いったいこのエンディングは何を示唆しているのだろう?
救われたのは、本当に罰せられたのは誰だったのだろう?
理想のエンディングとはなんだったのだろう?
作者はこのエンディングにすることを、なぜ決めたのだろう?
自分なら・・・を地で行く 主人公の中年男性が、娘を強姦して川に捨てた2人の少年をブッ殺しに行くというストーリー。
「どうせ奴らが捕まっても、少年法で2、3年で出てきてしまう。それなら警察より先に見つけて復讐を遂げよう」これは正義なのか。父親、警察、第三者、様々な立場の人々が悶々と考え続ける。
いつも不思議に思っている。法廷で、傍聴席から被告の頭を隠し持っていた鈍器で殴りつける輩がいないことを。
いつも疑問に思っている。少年法は少年の更生の視点から、というが、そんなのは昔の髭を生やした高尚なオッサンが考えついたコンセプトで、国民の合意を得られていないことを(裁判員制度と一緒だ。いつの間にか出来ていた)。
東野氏は自分の考え方を押し付けるのではなく、世に浮かぶ悶々とした思念をカタチにするのが上手い作家だ。おそらく相当の読者がこう思ったことだろう。「彼に死を」。
|
|
[ 文庫 ]
|
時生 (講談社文庫)
・東野 圭吾
【講談社】
発売日: 2005-08-12
参考価格: 790 円(税込)
販売価格: 790 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 240円〜
|
・東野 圭吾
|
カスタマー平均評価: 4
よかった 少し「秘密」につながる話だな、と思いました。
序章の段階で家族のキャラクターが分かるような話が
もう少しあればもっと感情移入できたのかな、とも思ったけれど、
この位で良いのかもしれないとも思ったり。
「明日だけが未来じゃないんだ。それは心の中にある。」
各作品ごとの、伝えたい言葉を見つけるたびに
なんだか東野さんの一部分を垣間見るような気がしています。
ヘタレ主人公の豹変 物語の大半が、主人公が当事の彼女を探すことで占められている。
その「当事の彼女」は、現在の妻との接点は無く、そこで話が切られてしまっているのが非常に残念。これほどの情熱をかけて取り戻した彼女とあっさり別れているのもちょっと違和感がある。
現在の東野さんであれば、現在の夫婦での生活描写をより細かく複線を張ったり、妻との出会いを絡めたり、実母とのかかわりをより深くしたりしたのでは無いかと予想する。
あまり重い話ではなく、カラッと読めてスキッとする後味の良い良作。
この夫婦には、また子供ができて欲しい。 子が父に伝えたかったこと 死の瞬間でさえ、未来を感じることができる。幸せな心、思い出が人に未来を与える。
『明日だけが未来じゃない』『自分は幸せだった』、そのことを伝えるため、死の間際にいる少年トキオは、時間を超え若き父親に会いにいく。
泣けます。感動します。父と子の絆を感じることができます。
父が息子を思う気持ち 最初は「不治の病患う息子に最期のときが・・・・」という解説を目にして533ページというボリュームが躊躇させることとなりましたが、読んでいくと大部分が冒険活劇的展開と劇画的な描き方が軽快でどんどんひここまれていきました。テーマがあまりにも重いのにもそれをを感じないところに作者の文章力の豊かさを感じます。トキオの国分君と嵐の桜井君の主演のドラマにもなりましたが、このようによい作品はリメイクされて多少の脚色が加えられても多くの人に触れるのが一番と思います。
この小説で想起してしまったのがアカデミー賞受賞作のロベルト・ベニーニのライフイズビューテイフルで子を想う父親の愛情が美しく描かれています。
新聞の3面記事では親子の憎悪関係や虐待がよくクローズアップされ殺傷事件まで起こる悲しい現実がありそれはあたかもゴリラの雄は縄張り争いで勝った時、敗者の子ゴリラを全部殺してしまうと雌ゴリラは発情し勝者のゴリラの子作りに励むという原始的動物行為に近いものを感じられますが、人はそのような単細胞的な行為でない”愛”ももっていると描かれているところにこの小説の素晴らしさを感じました。
そして私は恐らく意図的だと確信しているのですが、最も肝心な部分を曖昧にしているのは、様々な憶測を喚起させます。
B級SFに陥ることなく読後には感動と希望が得られる素晴らしい作品です 東野作品の中では、いま一つ・・ 最近東野圭吾作品を次々と読んでいるが、この作品は期待外れだった。
まず、タイムスリップした人物が若かりし頃の主人公を救う、というストーリーの凡庸さ、軽さが最初に感じる欠点の一つである。
しかし一番の難点は、主人公である若かりし頃の父という人物が、あまりに魅力のない、どうしようもなく軽薄で自分勝手な人間だということであった。そのことによって、最後にいくら感動的なシーンが待っていると分かっていても、ずっと気分が悪いまま、イライラした気持ちで不必要に長い中盤のストーリーを読み進めなくてはならなかった。
物語は、読者がある程度共感できる人物像を描くことが、基本的に必要ではないだろうか??主人公が駄目人間だからこそ成長を見せ、ラストを際立たせたかったという作者の狙いかもしれないが、極端すぎるとチープである。
このチープさと、それによるリアリティの欠落が、東野作品で時々感じさせられる、大きな欠点ではないかと私は思う。
|
|