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[ 単行本 ]
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実用企業小説 プロジェクト・マネジメント
・近藤 哲生
【日本経済新聞社】
発売日: 2004-01-07
参考価格: 1,680 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 1,797円〜
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・近藤 哲生
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カスタマー平均評価: 4
勉強にはなるが・・・ 実際のプロジェクトに反映できる部分もあるが
読んでまず思ったことが「非現実的」という感。
筆者が自身の経験に基づいて書いているので
なんとも言えませんが様々なプロジェクトに
応用できる考えが少し無いように感じた。
しかしながらプロジェクトを完遂させるには、
チームの思いと感情であるということは非常に
共感できたことである。
経験したほとんどのプロジェクトがエンドユーザとの
ヒアリング不足やチーム間のコミュニケーションエラー
などによる部分が大きいと感じてしまう小生としては、
あまり参考にならなかった。 松風かっこいいぜ 小説風にプロジェクトを立て直す様が取り上げられている。実際のPMとして自分が
松風大地になった気分で投影して読むと、爽快感がある。
最初に筆書きでプロジェクトの理念を書いて配るところからしていけている。
これは今度早速やってみようかな。
メンバー(正確にはプロジェクトサブリーダー)に自立と自律を求め、PMはタイミングを
見計らって、ポイントだけ介入するという見習うべきマネジメントスタイルである。
気になった点が、肝である手法がPRP(Project Re-Planning)、DPM(Decision and Progress Meeting)と
横文字3文字略語を使っていることである。
PMBOKにも同じ違和感を感じるのだが、こういった言葉は似非コンサルタントが使う用語であり、
実際のプロジェクトでは皆がイメージし易い日本語に置き換えたほうがよいと思う。
ボクにとっての一つの理想像が描かれていました プロジェクトの成功事例に関する
かなりリアルな小説?ビジネス書?という本。
この本、とってもとっても感動しました。
シゴトを進める上でのボクにとっての一つの理想像が描かれていました。
早速、これを見習って行動に移しています。
帯に
“絶対、成功させてやる-----
傾きかけたプロジェクトの再建に一人のリーダーが着任した。
メンバーの本音と自主性を引き出し、
個人とチームのチカラを最大限に発揮させる
画期的管理手法を迫真のストーリーで描く。”
こうあるとおり、内容は、主人公・松風が失敗に向けて突き進む負のスパイラルに陥ったプロジェクトを建て直し成功に導くストーリーなのですが、この主人公・松風みたいになりたいと思いました。
松風だけじゃなくてここに出てくるいろんな人間になりたいと思いました。
おすすめです。 なぜプロジェクトマネジメントか? プロジェクトマネジメントという言葉が安易に使われている今日、プロジェクトをマネージすることとは何かを、真摯に問うたマジメな小説である。 冒頭、プロジェクトは生身の人間が行なうものであるという、当たり前の事実を指摘することに多くのページが割かれる。プロジェクトを立ち上げるということは、生々しい利害の結果だということに、気づきを与えることが著者の希望であろう。 また、あまり表には出てこないが、本書に登場するプロジェクトのメンバーは世界標準といわれるPMBOKの原則に従ったプロセスを志向するようになって行く。WBSを活用し、段階的に詳細化を進めていくシーンなどが正にそうである。 プロジェクトを成功に導く科学的手法は確かにあるが、それを実践する秘訣はチームのモチベーションと、それを支えるメンバーの主体性にかかっている。著者はプロジェクトマネージャの第一の役割が、成功を確信するチームづくりにあることを訴えている。 しかしながら、本書の主人公であるプロジェクトマネージャは人格的には理想に近い設定を与えられている。どうすればこのようなプロジェクトマネージャを育成することができるのかが、最も知りたいところである。 ただの成功物語ではない。 実際、火だるまプロジェクトを経験した後であったので、すごく参考になりました。私の失敗で痛感したことは以下の3点。 @作業の詳細化(WBS)をPJMである私のみがやってしまったことで、メンバー同意が得ずらかった。 Aプロジェクト初期に気づいていた不具合を強く改善要求できなかった。Bプロジェクトとしての意思決定が、特定の人のみで決められ、現場の意見が無視された。 これらのことすべてに本書は記述されています。幸せになるプロジェクトを作れるよう、努力したい。
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[ 単行本 ]
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世界デフレは三度来る 上 (講談社BIZ)
・竹森 俊平
【講談社】
発売日: 2006-04-21
参考価格: 2,730 円(税込)
販売価格: 2,730 円(税込)
Amazonポイント: 27 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 1,700円〜
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・竹森 俊平
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カスタマー平均評価: 5
貨幣の構造的問題 19世紀、金銀の相対価格の変動を通じた「金本位国/銀本位国」の景気の変動(デフレ/インフレ)。
(実体経済とは関わりのない)貨幣的要因が、景気を大きく変動させることが、よく実感できました。
併せて「決して普遍的に最善な通貨制度というものがあるわけではない(増田孝(三井物産専務理事))」ことも・・・。
「時間差をともなった支払いの手段」貨幣(利便性)の代償・・・
「契約が結ばれた時点における当事者の予想とは異なってくる」
国内経済よりも国際為替の安定を優先させた金解禁(1930年)・・・
貨幣的要因が、景気を変動させることが自明視される中、
新平価ではなく、旧平価(→デフレ)での復帰に拘った井上準之助・・・
「イギリス(1931年9月)を初めとして、数多くの国が金本位制を離脱したことにより、
日本一国だけが金本位制を維持することによる経済的利益はほとんどなくなった」
「金本位制を離脱したイギリスを初めとする国々は、為替レートを大幅に減価させたから、
いまだに金本位制を維持している日本の円は、そうした国の通貨に対して割高になる。
円高は日本の輸入を増加させる一方で、輸出を不利にするので、日本の国際収支は悪化して、
金による支払いが増え、金準備はますます減少する」
「一体、何に井上はプライオリティを置いていたのか。それがどうもよく判らない」 温故知新 もし、ある本に驚かされる記述が一つでもあれば、その本は読むに値すると思っている。それほど、内容のある本は少ない。しかし、この本には各章ごとに、いたるところで驚かされる。本当にこの本は、80年前の出来事を書いた本なのか?これからまさに世界が再び体験しようとしていることの預言書なのではないかと思わされる。そして、いろんなアナリストの出している予想の多くがいかに的外れなものかがよくわかる。もちろん現在は当時よりさまざまな点で進歩している。経済理論も進んでいるに違いない。しかし、人間が行うことなのである。この本を読むと人間というものが、いかに学習をしない生き物かということがよくわかる。しかし、われわれは、先人の経験を乗り越えなければならない。まずは先人の経験を学習しなくてはならない。この本は、その第一歩である。この本には恐慌に対処する回答はない。だが、何をしてはいけないのかについては記述されている。本当に多くのことを学ぶことができる。 周知のとおり、このデフレの解決は戦争に委ねられたというのが歴史的事実である。この本と対話することで、この事実を乗り越える方法を誰かが発見してくれればと願っている。 これは壮大な歴史物語だ 本編は、貨幣制度に焦点を当てた経済の書物であるとともに、壮大な歴史物語である。例えば、司馬遼太郎の「坂の上の雲」を読んでいるように、登場人物の息づかいが聞こえてくる。著者の筆力には敬服する。
物語は、日本で言えば明治初頭の英国の経済情勢から始まる。そして、金本位制、銀本位制、その併用といった貨幣制度を明治の伊藤、福沢、渋沢、松方等がどのように考えていたかにつながっていく。また米国の状況も饒舌に語られていく。有名な「オズの魔法使い」の物語は、実は当時の米国の貨幣制度の政治的状況をもじった寓話であったことも、エピソードとしておもしろい。
高名なケインズが、第一次大戦の戦後処理に関して、戦敗国を含めた世界経済の建て直しに心を痛めるも、英米の思惑のため、その政策は採用されなかった。この誤った戦後処理が、世界をして、第二次大戦への一歩を踏み出させることになったくだりは、経済面からの一面的な見方ではあるが、心に迫るものを感じる。
本書は、高橋是清をブックカバーにし、二・二六事件での彼の非業の死を持って幕を閉じる。高橋らの恐慌に対する経済政策の是非を、当時の状況を踏まえながらも、現在の経済学の視点で評価し直す過程もおもしろい。FOMCのグリーンスパンやバーナンキなど今耳目を集める人達の金融政策論と比較して、語れるその内容たるや、筆者の面目躍如というところか。
さてこれから、今度はグリーンスパンをブックカバーにした下巻を読むとしよう。 経済史は社会史!! デフレ本が誠にたくさん刊行されていたが、こうした稀な経済的経験をこれからの産業社会や、人間歴史のなかで活かして行こう、そして人間社会のよりよい明日のために学んでおこうと思わせるような書物は皆無であったと断言しておこう。ハウツー書を馬鹿にしているのではない。
それらはいつの時代にも必要である。その多くは「安心する」ためのものであったとしても。
しかし、ここに唯一の例外が登場した。竹森俊平の本書である。
『世界経済の謎』や『経済論戦は甦る』といった頗るつきの好著をものした経済学者による、歴史大著である。立花隆の『天皇と東大』も同様だが、これだけのボリュームと汗牛充棟の資料を駆使した大冊であれば、中身を熟読するだけで十分に時間がかかるが、参照文献のいちいちを覗くだけでも数年、数十年を要する。元手がかかっているのである。
ニッポンのビジネスマンとやらも、今やその多くが学士さんであろうから、それそれ「すぐわかる」とか「サルでもわかる」とかのお手軽本は卒業して、こういう大作に挑んではどうか。とまあ、おせっかいをいってみました。
デフレの3度目は回避されたというのが著者の結論であるが、政治経済的にはその判断は微妙だ。斑状の経済回復が格差の顕在化を助長しているのみならず、「戦争と平和」という古くて新しいアポリアを国際間のみならず、国内、地域社会にまで呼び寄せているからだ。
監視カメラで覆われた生活空間は、戒厳令のそれである。
居酒屋の政談や、下ネタが共謀罪に問われかねない。
中村政則の名著『昭和恐慌』以来の、経済史の不穏な道行を描いた傑作である。それは社会経済史であるほかない。 マクロ経済がよくわかるようになる 19世紀後半から現代にかけてのマクロ経済史。貨幣制度の変遷を軸にして、経済政治上の出来事を、対応した当事者たちのさまざまな議論や分析、そして現在の経済学のレベルでの検証と解析、を加えて問題を色々比較している。「歴史は現在の鏡」というが、非常におもしろい読み物になっている。マクロ経済のテキストを読むよりこの本を読むほうがずっと実態経済をマクロでどうとらえるかを体感できる。本書を購入した目的は、日米の現在の経済状況をどうとらえるべきか? という疑問に対する手がかりを得るためであった。十分に答えてくれた。
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[ 単行本 ]
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流転賦
・道願 一基
【文芸社】
発売日: 2000-04
参考価格: 1,680 円(税込)
販売価格: 1,680 円(税込)
Amazonポイント: 16 pt
( 通常6〜11日以内に発送 )
中古価格: 1,679円〜
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・道願 一基
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カスタマー平均評価: 0
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[ 単行本 ]
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航跡は消えず
・五島 紅燃
【文芸社】
発売日: 2008-06
参考価格: 1,575 円(税込)
販売価格: 1,575 円(税込)
Amazonポイント: 15 pt
( 在庫あり。 )
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・五島 紅燃
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カスタマー平均評価: 0
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[ 単行本 ]
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ホルンフェルス断層の謎
・秀豊
【鳥影社】
発売日: 2002-01
参考価格: 1,470 円(税込)
販売価格: 1,470 円(税込)
Amazonポイント: 14 pt
( 一時的に在庫切れですが、商品が入荷次第配送します。配送予定日がわかり次第Eメールにてお知らせします。商品の代金は発送時に請求いたします。 )
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・秀豊
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カスタマー平均評価: 4
高杉良と山崎豊子ミックス感覚の社会経済小説 IT企業とはどんな会社なのか、また会社内での人間模様、確執など臨場感溢れるタッチで書いてあるのが面白い。 また短編の幻影も現実味のある秀作だ。
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[ 単行本 ]
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百貨店崩壊す
・渡辺 一雄
【読売新聞社】
発売日: 1996-12
参考価格: 1,427 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 1,400円〜
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・渡辺 一雄
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カスタマー平均評価: 0
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[ 単行本 ]
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スタート!「産学連携」―シナリオで体験する成功のプロセス
・新井 民夫 ・下村 芳樹 ・染谷 秀人 ・山名 尚志
【日本プラントメンテナンス協会】
発売日: 2004-10
参考価格: 2,100 円(税込)
販売価格: 2,100 円(税込)
Amazonポイント: 21 pt
( 通常2〜5週間以内に発送 )
中古価格: 1,395円〜
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・新井 民夫 ・下村 芳樹 ・染谷 秀人 ・山名 尚志
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カスタマー平均評価: 5
応用できるプロジェクトマネージメント 産学連携のプロジェクトマネージメント入門書であるが、利益相反、合意形成方法は広い範囲で応用できる。物語は「ザ・ゴール」のように読みやすく誰でも理解できる。産学連携を知る入門書としてお勧めだと思う。 応用できるプロジェクトマネージメント 産学連携のプロジェクトマネージメントが題材ではあるが、合意形成、利益相反のまとめ方は応用できる。物語は「ザ・ゴール」のように誰にでもわかる読みやすさがあった。大学制度の見直しの今、産学連携を始める前に読んでおく入門書だと感じた。
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[ 単行本 ]
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男子の本懐
・城山 三郎
【新潮社】
発売日: 2002-01-29
参考価格: 2,520 円(税込)
販売価格: 2,520 円(税込)
Amazonポイント: 25 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 1,311円〜
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・城山 三郎
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カスタマー平均評価: 4.5
気骨 父に薦められて読みました。最近ではとんとみなくなった厳めしいタイトルに手控えていましたが、思っていたよりもずっと読みやすい小説です。
昭和四年に成立した浜口雄幸内閣と浜口首相の盟友、井上蔵相を巡る力作です。浜口内閣は不況下で経済政策の見直しを迫られた内閣であり、その特徴は金解禁による金本位制への復帰と緊縮政策にありました。その中での静の浜口と動の井上の奮闘を、語って聴かせるような文章と数多くの出典・資料によって書き上げています。
大きく分けて二部構成となっており、前半は浜口内閣組閣までの、浜口と井上の半生を対比するように書いています。縁の下の力持ちとして根をはり、苦節を重ねながらも深く力をつけていく浜口と、山を駆ける天狗のように目覚しい活躍をしながらも、挫折を味わい様々な軋轢を突破しようとする井上は対称的なようで非常に似通っています。情に厚く意志を通し、激しい感情を持ちながらも論理性を保つ。広い視野を持ち勤勉である。特に井上の言うことは一社会人として感じ入るところが多くありました。
後半は組閣後から浜口、井上暗殺までの約3年の闘いになります。二人の経済政策は様々な外患内憂によって失敗に終わるわけですが、金解禁までの過程から気骨のある政治家というのはどういうものなのか、存分に読むことができます。また当時の対立政党の動きやマスコミの報道への対し方から、現代の政治やマスコミのあり方への批評も伺え、最近の政界のドタバタ劇や(全てではありませんが)感情論に偏りがちに感じる報道について考えるきかっけにもなりました。
はやりの癒しやスローライフとは違った方向性で力をもらえる作品だと思います。さて私も仕事を頑張ろう。 作家の本懐 本書をどう受け止めるべきだろうか。
主人公の浜口首相と井上蔵相は、現代からみれば、
不況を深刻化させる「金解禁」という政策を断行した。
この失政に命を注いだ両者を、平成の時代に生きる我々が批判するのは簡単だ。
だが、それすなわち本書は駄作、と両断するのは愚か。
浜口・井上が生きた時代同様、平成も政治には難題が山積している中、
"誰も手をつけたがらない"問題に対して、文字通り命をかけた両者を描くことに、城山氏の「作家の本懐」がある。
本書の妙は、政策の正当性などではなく、まつりごとに命を注ぐ政治家の生き様、つまり「男子の本懐」である。
時代の移り変わりはあるものの、暗殺されるほどに反対勢力と断固してやりあう政治家が、現代にどれだけいるのだろうか。
小説なのだから多少の脚色はあるにしろ、彼らの生き方に"政治家の本来あるべき姿"を思う。
本書の中に、浜口の"政治家の価値を高めたい"という記述があった。
残念ながら、現代の若者には政治家への野望はおろか、政治への関心すら希薄だ。
そんな中、氏の作品には「男子の本懐」を湧き上がらせる魅力がある。
使い古された言葉だが、まさに本書は"いま読むべき本"なのではないだろうか。 原理原則を貫くことの尊さ 「何事か起こって中道で斃れることがあっても、 もとより男子として本懐である。」
こう言って,主人公の一人浜口雄幸は,金解禁断行のための組閣を行った。
そして,浜口が凶弾に斃れた時も,「男子の本懐である。時間は何時だ。」とだけ言い,
その後,異常なまでの気迫で国会答弁に立ち続ける。
原理原則を貫き通すアツい政治家の生き様に,心が震えます。 対照的な二人の物語 これは、昭和2年4月に組閣された濱口内閣の首相・濱口雄幸と蔵相・井上準之助の物語である。久々に城山翁の本が読みたくなったので買って読んだ。
本の構成としては、冒頭に組閣のシーンが描かれ、それからしばらくの間は二人の生い立ちが交互に記される。しばらくして組閣の場面に戻り、山積する政治課題、とりわけ金解禁の問題にどう対処していくかが描かれる。
上司との対立による左遷、長年の外局勤めなど、およそ出世街道を進んだとはいえない濱口に対し、井上は出世街道まっしぐらの人生であった。ところが、日銀・松尾総裁にうとまれてアメリカに飛ばされてしまう。まったく対照的な人生を送ってきた二人は、精神的な困難に直面したときの心構えも相当に異なる。濱口は黙して語らず、己の身上を度外視して仕事に取り組む腹の太さがあった。一方、スタイリストの井上は外向きには泰然としているが、内心は大いに悲歌慷慨し、妻への手紙に泣きごとのようなことを書き連ねていた。
濱口には運命への達観があったとおもう。それは、諦観のような枯れた考え方ではなく、この場面で誰もやりたがらない仕事をやって踏ん張るのが自分の運命だ、というような自分を度外視した考え方である。一方で、井上には運命の予感を持っていたのだろう。自分は必ず大業を果たす、こんなところで無駄な時間を過ごしているヒマはない、といったような。
そういう二人が、昭和初期の混乱期に同じ内閣に属して金解禁という難事業に取り組んだのは単なる偶然ではなかったのかもしれない。非常に面白い本だった。 金解禁に挑む浜口と井上の生涯を描く 1929年、田中義一内閣の後を受け、成立した浜口雄幸内閣(立憲民政党)。本書は、浜口首相が井上準之助を蔵相として、1917年以降禁止していた金輸出禁止の解禁に二人三脚で挑む男子達の生涯を描いた一冊である。
浜口政権(1929?1931年)は、産業合理化・緊縮財政をはかった上で金輸出解禁。加え、軍部と対立しながら軍縮政策に努めたことが有名であるが、本書では教科書等では味わうことの出来ない緊迫した昭和初期の雰囲気が、政治信条を貫いた二人の熱い友情と共に描かれている。
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[ 単行本 ]
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革命
・大野 芳
【祥伝社】
発売日: 2001-02
参考価格: 2,940 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 1,469円〜
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・大野 芳
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カスタマー平均評価: 5
残滓か鎮魂か 私が生まれた年に、旧軍人らによるクーデター未遂事件が公安当局により摘発されたという事は知っていました。
過去の栄華が忘れられない軍人達が、「税金無し、失業無し、戦争無し」の「三無」をスローガンに、夢よもう一度で決起しようとして潰された事件。そういう認識でした。が、同時に、これほどの大事件がこれまで全く触れられて来なかった事にも、何か逆に意図的なものも感じておりました。
読み進むうちに、この「三無」政策が、必ずしも場当たり的な、国民を愚弄するだけの政策ではなかったことがわかり、(無論、私も彼らの革命がなっていたとしても、この理論がそのまま、現実の至福の物になったとは考えてはおりません。なぜなら、革命とは人々の狂気と欲望により、それを遂行している途中で変質してしまうことが、ままあるものだからです。)当事者達の憂国の想いもよく伝わりました。
絶妙な筆致とその場にいたかのような描写。近来ないほどの絶品でした。残念だったのは九州弁の不理解。わかる人間にとっては混乱極まりなかったです。
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[ 単行本 ]
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会社が消えた日
・水木 楊
【日本経済新聞出版社】
発売日: 2009-06-26
参考価格: 1,680 円(税込)
販売価格: 1,680 円(税込)
Amazonポイント: 16 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 1,290円〜
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・水木 楊
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カスタマー平均評価: 0
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