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経済・社会小説

アイテム一覧
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ハゲタカ〈下〉 消失 第2巻 岩に咲かせた花―或る出向サラリーマンの足跡 原罪都市―星狩人〈PART4〉 (講談社ノベルス) 花の嵐―小説小佐野賢治〈上〉 (光文社文庫) 不法投棄列島―バッタ屋啓輔 (C・NOVELS) バイアウト~ハゲタカ2~下 (講談社BIZ) 糞桶に盛られた銀舎利―糞桶の口から説教をたれる経営者 新リア王 上 羊よサラバ―経済オタク一郎
ハゲタカ〈下〉 消失 第2巻 岩に咲かせた花―或る出向サラリ.. 原罪都市―星狩人〈PART4〉.. 花の嵐―小説小佐野賢治〈上〉 .. 不法投棄列島―バッタ屋啓輔 (.. バイアウト~ハゲタカ2~下 (.. 糞桶に盛られた銀舎利―糞桶の口.. 新リア王 上 羊よサラバ―経済オタク一郎


ハゲタカ〈下〉

[ 単行本 ]
ハゲタカ〈下〉

・真山 仁
【ダイヤモンド社】
発売日: 2004-12
参考価格: 1,680 円(税込)
販売価格: 1,680 円(税込)
 Amazonポイント: 16 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 597円〜
ハゲタカ〈下〉 ※一部大型商品を除く
真山 仁
カスタマー平均評価:  4.5
バブルに何も手を打たなかった日本に猛省を促す「ハゲタカ」
 いよいよ3人の主人公がクロスしはじめたところで、上巻は終わりました。  下巻は、ハゲタカ投資家の青年が、老舗の中堅菓子メーカーの債権を買い取って経営権を手に入れる過程からスタートします。経営に失敗して多額の負債を負っているというのに、この会社のオーナー一族は、自分たちの豪奢な生活を会社のカネでまかない続けることを当然と考えています。  あまりにどん欲で身勝手なオーナー一族の姿を見せられるうちに、なんだかハゲタカ青年が正義の味方のように見えてくるから不思議です。 「そうだ、そんなごう慢なやつらは会社から追い出してしまえ!」  労働組合や他の関係者のあと押しを得ながら青年がオーナー一族を追放し、読者は青年が悪人ではないことを確信します。  青年は次のように指摘します。   経済成長自体は、間違いなく日本が世界に誇れたことですから。   ただ問題は、その翳りを見落としたことであり、それ以上にバブル   以降に何もしなかったことです。  つづいて、栃木県の代表的地方銀行である足助銀行の破綻をきっかけに、中禅寺湖、日光を舞台にした、老舗ホテル経営権の攻防がスタート。ホテルを手に入れようとするハゲタカファンドの青年と、老舗ホテルの経営再建に腐心する女性主人公が対峙し、いよいよ、全ての伏線がつながりはじめます。  上巻ではピアノに近寄らなかった青年がピアノの名演奏をかなでることで物語が展開しはじめ、父親の割腹自殺の真相がとうとう明かされます。ホテル買収のゆくえと、ハゲタカ青年の胸に去来する想いとは……。  上巻で感じた名作の予感を裏切らない終章でした。  下巻だけで300ページ以上ある長編が、不思議とが長く感じません。
綿密な取材に基づいた生々しい描写が魅力
特定の主人公を置くわけではなく、アメリカのハゲタカファンドの日本人社長と、経営破綻したスーパーを再建するために友人に請われて邦銀からスピンアウトしたスーパーの社長と、これも経営に行き詰まっているホテルを建て直そうとしている女社長の三者の生き様をそれぞれ描く独特のスタイル。三者とも金融問題に直面している、そして日本に対する高い愛国心を持っているという共通点があり、同時並行でそれぞれのストーリーが進んでいく中で、相互に影響し合う。バブル前後の日本経済の状況を忠実に描写し、また、実在の企業をモデルにしているので、ノンフィクション性の高いフィクションであると言える。バブル期の金融機関の経営やコンプライアンスがどれほど緩んでいたのか、バブル後の金融機関の貸しはがし、貸し渋りでどれだけ地方の中小企業が影響を被ったのかなどといったことについて、アウトサイダーとしてはこれまで実感が湧かなかったのだが、本書を読むと、そのあたりがかなり生々しく描写されており、知的好奇心が刺激されてついつい引き込まれてしまう。かなりの長編小説であるが、中だるみもなく、興味深く読ませてもらった。
エキサイティングな一冊!企業の再建で救いはあるのか?
どこまでがフィクションでどこまでが事実をベースにして書かれたのか判別が出来ないくらいに迫真の筋書きが続くこの下巻。上巻以上にエキサイティングな続きである。

本書を読んでいて思った。数年前に日本の長信銀や地銀が破綻後に外資系買収ファンドに買収されたが、何ゆえ破綻銀行は彼らのターゲットになったのか?また、ごく最近、外資系投資銀行や政府系機関が地方の温泉旅館を立て直しているが、現実の背後にある経済論理はなんなのか?こういったものがこの下巻では多く描かれている。私にとっては目から鱗だった。

さらにこの下巻では、主人公達の心理の奥底まで迫っていく。潰れかかった企業を再生させるといことがどういうことなのか、企業経営をするとはどういうことなのか、当事者達の心理の綾を交えながら語っている。

この過酷な物語に救いはあるのか?!最後はご自身の目で確認して欲しい。
難しいテーマをこれだけ面白く書けるなんて
非常に丹念に調べたのだろうなあ、と思いながら読みました。知っているようでよく分からないテーマを、実にわかりやすく書いているので、経済に関して、頭がよくなったような気がしてきます。
ただ、主要な人物3人の話が面白すぎて、ページ数から言うとちょっと詰め込みすぎの気も。個人的には、ホテルの再生話をもっと読みたかったのだけれど。


消失 第2巻

[ 単行本 ]
消失 第2巻

・高杉 良
【ダイヤモンド社】
発売日: 2007-11-09
参考価格: 1,785 円(税込)
販売価格: 1,785 円(税込)
 Amazonポイント: 17 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 598円〜
消失 第2巻 ※一部大型商品を除く
高杉 良
カスタマー平均評価:  3
もういいのでは・・・
 銀行のゴシップ記事を載せているような内容だけど・・・。主人公もあいかわらずシニカルな視線で物事をみてて、展開も後だしじゃんけんのご都合主義で進む。。。そして、もう恥ずかしいくらいの主人公の非現実的な不倫話が本編と同じくらいの厚みで続く。  小説日本興業銀行などの名作を残した著者だけに、もう辞めてくれといいたい。
小泉+竹中とメガバンクの戦いを描いている
当時の金融庁のやりかたが結構リアルに描いてあると思います。 次巻にてどう展開するのかが待ち遠しい。 主人公の私生活の細かい描写が緊張感を解きほぐす。 これがないとただの事件簿みたいになってしまい肩がこるのではないでしょうか。

岩に咲かせた花―或る出向サラリーマンの足跡

[ 単行本 ]
岩に咲かせた花―或る出向サラリーマンの足跡

・樋口 四郎
【新風舎】
発売日: 2004-08
参考価格: 1,260 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 584円〜
岩に咲かせた花―或る出向サラリーマンの足跡
樋口 四郎
カスタマー平均評価:   0

原罪都市―星狩人〈PART4〉 (講談社ノベルス)

[ 新書 ]
原罪都市―星狩人〈PART4〉 (講談社ノベルス)

・川又 千秋
【講談社】
発売日: 1987-04
参考価格: 693 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 540円〜
原罪都市―星狩人〈PART4〉 (講談社ノベルス)
川又 千秋
カスタマー平均評価:   0

花の嵐―小説小佐野賢治〈上〉 (光文社文庫)

[ 文庫 ]
花の嵐―小説小佐野賢治〈上〉 (光文社文庫)

・清水 一行
【光文社】
発売日: 1999-05
参考価格: 660 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 529円〜
花の嵐―小説小佐野賢治〈上〉 (光文社文庫)
清水 一行
カスタマー平均評価:   0

不法投棄列島―バッタ屋啓輔 (C・NOVELS)

[ 単行本(ソフトカバー) ]
不法投棄列島―バッタ屋啓輔 (C・NOVELS)

・伊野上 裕伸
【中央公論新社】
発売日: 1999-10
参考価格: 893 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 528円〜
不法投棄列島―バッタ屋啓輔 (C・NOVELS)
伊野上 裕伸
カスタマー平均評価:   0

バイアウト~ハゲタカ2~下 (講談社BIZ)

[ 単行本 ]
バイアウト~ハゲタカ2~下 (講談社BIZ)

・真山 仁
【講談社】
発売日: 2006-04-21
参考価格: 1,785 円(税込)
販売価格: 1,785 円(税込)
 Amazonポイント: 17 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 516円〜
バイアウト~ハゲタカ2~下 (講談社BIZ) ※一部大型商品を除く
真山 仁
カスタマー平均評価:  4.5
はよう続編書いて、お願いだから!
くだくだ言いません。徹夜して読み終えました。 早く続編を書いてください。 待ちきれません。 お願いします。 もし2年も3年も待たされるのなら、版元の○○社をバイアウトしまっせ。 というくらい楽しませてもらいました。
バイアウト
文句なく、面白い。次作を期待させるラストシーンも、余韻があっていい。ただ、バイアウトの購入を予定している方は、文庫本のハゲタカ2が、バイアウトの文庫版であることにご注意。私は、テレビを見た勢いで、ハゲタカ2とバイアウト両方買ってしまい、返品手続きの面倒臭さを経験しました。文庫版のハゲタカ2がリーズナブルです。
まだ、謎が残ります。
上下巻ともに、一気に読んでしまいました。 実際の経済ニュースで納得いかないことも多いため、 この本のラストはご都合主義かもしれませんが、 すっきりしていて良かったです。 ただ、アランは何故死んだのかが、いまだ謎。 更なる続編があるのでしょうか。
『ハゲタカ』2
上巻に比べ、話の展開がちょっとご都合過ぎるように感じられます。登場人物の感情変化が理解できないというか...。ともすれば帳尻あわせの展開と言われてもしかたが無い内容が随所にみられます。でも上下巻通してのメインの話は大変充実した内容で読んで損はない作品だと思います。『ハゲタカ』から読み続けて本書上下巻を読んでで感じたのは、「『マトリックス』?」。作者本人が意識してのことかどうかは定かではないですが...。
上での期待を裏切らないが、上回るものでもない
 主人公の企業買収劇は、別舞台へと進むのだが、上巻で作った伏線をことごとく小さくまとめてしまう形で終結させてしまっている点に不満が残った。  読ませる力が劣っているわけではないので、それなりに興奮もさせるのに、と残念に思う。

糞桶に盛られた銀舎利―糞桶の口から説教をたれる経営者

[ 単行本 ]
糞桶に盛られた銀舎利―糞桶の口から説教をたれる経営者

・佐藤 光幹
【近代文芸社】
発売日: 2002-03
参考価格: 1,575 円(税込)
販売価格: 1,575 円(税込)
 Amazonポイント: 15 pt
( 通常2〜5週間以内に発送 )
中古価格: 517円〜
糞桶に盛られた銀舎利―糞桶の口から説教をたれる経営者 ※一部大型商品を除く
佐藤 光幹
カスタマー平均評価:   0

新リア王 上

[ 単行本 ]
新リア王 上

・高村 薫
【新潮社】
発売日: 2005-10-26
参考価格: 1,995 円(税込)
販売価格: 1,995 円(税込)
 Amazonポイント: 19 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 515円〜
新リア王 上 ※一部大型商品を除く
高村 薫
カスタマー平均評価:  4
難解すぎる
「リビエラを撃て」を最高傑作と思っているため、評価にはバイアスがかかっているかもしれない。「晴子情歌」で、日本人の生きかた、歴史を、歴史に登場しない人物の視点で描くことで、文学であるとともに、叙事詩のようでもある(本文が何と言っても手紙である)、という作者の手法は、今回の作品では、禅宗の教義、経、本山末寺制度への言及が余りにも煩雑、頻繁なこともあって、難解で、読みにくい。 青森(日本の農村、日本の土着的な部分を象徴しているのだろうか)の産業発展に人生をかけた政治家の人生が物語の軸になっている。リア王と同じように、上の息子には裏切られる。しかし、僧侶となった末の息子は一体コーディリアなのだろうか?主人公の栄(リア王)は、末の息子に救済されたのだろうか?物語は、結末が示されず、そのまま終わってしまったように見える。 青森の歴史、六ヶ所開発の挫折についてとても詳しい。関係者には、産業開発の歴史書としても読めるだろう。 晴子情歌が序、本篇が破なら、続編は急かしらん。楽しみ。
あらゆる意味で読む者を圧倒する小説。
読み始めるとその世界に一気に引き込まれるのだが、気軽には読み始めることができない作家。しかも大作ばかりだ。居住まいを正して読め!雑念を払ってから読め!そんな声が聞こえてきそうな作家。読む側にも緊張を強いる作家。わたしにとって高村薫とはそんな作家だ。 そんな作家が選んだ題材が政治と宗教(生臭物と精進物?)。舞台は青森。日経新聞の連載を何度か読んだ限りにおいてはミステリーの要素はなし。重そうだなぁという先入観があって長い間積ん読状態にあったのだが、読み始めると結局圧倒されっぱなしのまま上下巻を読み終えてしまった。 ただ、高村の人間観・宗教観に充分浸れたものの、一度読んだだけで理解できたという自信はない・・・。 ミステリーの要素は一切なし。政治家が実名で登場し実際に起こった出来事とリンクしている部分がエンタメ的要素といえるかもしれないが、政治の世界を描くにあたっての小道具に過ぎず主題ではない。それでもこれほどの大作を書き上げる力、そして、読む側に緊張を強いながらも一気に読ませる力、決して読みやすいとは言えないが「力」を感じる文体。いい意味での「重さ」「硬さ」を感じることのできる素晴らしい作家だと思うし、他の方が仰るとおり高村薫は「純文学」作家なのだと思う。 ただ、このまま進んでいけば、新たに獲得する読者よりも、離れていく読者の方が多くなってしまい、作品を発表する場所が狭まってしまうのではないか、という余計な心配をしてしまう。
危険高度に達するということ
 同じ時代に生きている芸術家ということで 僕は三人の人が気になっている。一人は作家の村上春樹だ。25年くらいの期間 村上と同じ時代の空気を吸いながら僕も中年になり 村上も60歳近くなった。  もう一人は映画監督の北野武だ。二作目から気になりだし ソナチネは映画館に観に行った。HANABIが ベネチアで賞を取る前の事だ。最近の北野はだいぶ変容してしまい 僕にとって少し難しい監督になりつつあるが それも同時代にお互いに生きていることの醍醐味だ。  三人目が 言うまでもなく 高村だ。  高村がサスペンス作家であると言われていることに違和感を長らく持って来た。実際 「マースクの山」を読んでいる限り かような言われ方は まずもって正当なのだと思う。但し 個人的には あまり評判にならなかった「照柿」を読んだ際に 小躍りするような興奮を覚えたものだ。「照柿」には しっかりとした純文学者としての高村の顔が見えたからだ。  それにしても 本書まで来ると 純文学としても 次第に孤高という感じが強くなっている。  題材は政治であり 宗教であるわけだ。ある意味で 極めて現代的なテーマであり ここには同時代者としての高村がきちんと見える。しかし その「語り」の特異性には すさまじいものがある。  高村の「文体」は極めて硬質だ。豪腕作家といわれるゆえんだ。しかも 本作に至っては その「硬さ」が 孤高な地点にまで行ってしまっている。ある意味で 危険高度に達しているのだと思う。とても万人向きではないし 僕も 十分打ちのめされる思いで頁をめくったものだ。  本作は サラリーマンの読む日本経済新聞に掲載されていたということは事件なのだと思う。しかも 高村と日経新聞は最後には揉めた末に連載が終わった経緯も記憶に新しい。  当たり前だ と 僕は思う。こんな孤高の純文学は 満員電車の中で 目で追うだけで読めるわけではないからだ。  高村は これからどこに行くのか。それが同時代の作家を読む醍醐味だ。
政治家を主題に据えた傑作
青森県政と地元で磐石の基盤を誇る政治家一家福沢家の政治家を描いた作品であり 政治や政治家というものを主題にすえた作品である。 物語は青森という田舎から出て来た政、務しか出来ない政治家福沢栄と、妾の息子として 陰湿な取り扱いを受け、仏の道に進んだ福沢庄野が久しぶりに邂逅し交互にお互いの体験を語ることで展開される。 作品は、政治家の仕事というものが福沢栄の語りという形を借りて詳細に叙述される。 その仕事とはどんなものか。 国会の開催日に政治家が何をするのか、地方の政治家にとって霞ヶ関めぐりというのが どういうものなのか、同じ議員でも内部の派閥や階級があり、大きな違いがあることなどが語られる。 地方におけるライバルとの鞘当や、どぶ板選挙の詳細などは読んでいて中々楽しい。 ライバルといえども構成員はお互い流動的な部分があり、一枚岩でない人間関係、組織関係が描かれていて中々に面白い。 また地方が時代の流れにあわせて大型プロジェクトを誘致しては時間がかかりすぎたり政治の都合で時代の流れに取り残されていく様が描かれ、そんなふうに 取り残されても仕事や金さえ手に入ればいいという地方の即物振りが鮮やかに叙述されていく。 そういった開発頼みに、実務的に開発を誘致しながらも、内心憤るしかしらない栄自身の内情の露土は読んでいて考えるものがある。 栄が苦労して2世議員として育てた息子も、栄の開発頼みへの憤りを理解せず、ポリシーを持たず即物的な結果さえ手に入ればいいんだという政治理念をもってしまったことへの失望などは親の悲哀であろうか、時代の流れだろうか。 作中、青森の陸奥小笠原開発という核関連事業に関わる話も取り上げられる、核廃棄物処理という長期の問題を考えず、即物的に原発誘致を行う地方への批判が展開されるが、これは作者自身の主張とも思われる。 作者は青森における貧乏と、それを解決するための開発優先主義の時代の功罪を見事に描き出している。 開発か未来への責任か、読者自身にも一考を迫る話である。 小説は小説に過ぎないので現実よりもはるかに単純化されているのだろうが それでもなお政治を主役にすえたという点は特筆に価する。 またもう一人の語り手である福沢庄野の坊さんの生活というものが、非常にわかりやすく丁寧に記述されており、それだけで他に例を見ず一読に値する。
永田町の一日、永平寺の一日、そして王たる福澤榮の絶頂
青森・西津軽の末寺にて、代議士の福澤榮が婚外子である彰之に、国会召集日のある一日を語ってみせる。そこには、青森におりながら標準語を話し、一族が当たり前のように東大へ進学する「大家(おおやけ)」を担う福澤家の、政治家としてのあり方が描かれる。 55年体制のなか、党人派として生きる榮の身辺に、永田町で渦巻く政治の渦が降りかかってくる様態が、刻銘に、それこそ登場人物の息づかいまで、余すところなく語られる。馴染みのある政治家の名前が実名で語られるところが艶めかしい。 実子の彰之からは、東大を卒業しながらも生き方が定まらず、北洋船に乗り組んだのち、大本山こと永平寺にて修行する様子が伝えられる。難解な仏教用語を駆使して明らかになる雲水の修行の模様は、永田町で蠢くきな臭い政治をなす群れと、一見、対極であるようだが、しかし、何らかの共通点を読者に見出させる。 そして、舞台は衆参同日選の模様へと移り、榮の長男・優が参院選へデビュー、自身は当選揺るぎない衆院選へと、同時出馬する選挙戦へと移る。その際、榮は地盤の継承にも成功しつつあり、君臨する王として絶頂期にもあった。 この作品を読む前に、シリーズ前編として位置づけられる『晴子情歌』を読み込んでおくことが求められる。ただ、『晴子情歌』を読まなくても、本作品だけでも十二分に満喫できる構成となっている。

羊よサラバ―経済オタク一郎

[ 単行本 ]
羊よサラバ―経済オタク一郎

・東 一浪
【新風舎】
発売日: 2004-01
参考価格: 945 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 506円〜
羊よサラバ―経済オタク一郎
東 一浪
カスタマー平均評価:   0

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 更新日 2009年7月11日(土)  ※ 表示価格は更新時のものです!      メール      相互リンク