カスタマー平均評価: 4
子供たち読んでほしい、ゲーム、アニメでなく本を。 私がはじめにこの本を読んだとき、思ったのは『息子に読ませたい!』でした。
しかし当時小学4年、まだ彼にはワタルやミツルが選んだ道へ行く理由は長々しくそして理解に難しいのではないかと危惧し断念。
本格的な旅立ちまでの時間の長さも子供が読むにはややきついか?
でもそれを補ったあまりある世界がここにはある。
せめて中学生。マエフリがちょっと重い現実生活の葛藤でひるむだろうが、乗り越えてあの世界を是非!訪ねる甲斐あり!きっと読むべし! 「ファンタジーなんて」なんて通用しない 「面白いファンタジー」を、日本に求めるのは無理だと思っていました。 もとよりファンタジーを受け入れるだけの土壌が日本には無い上に、 いわゆる「萌え」要素を前面に押し出した様々な作品の影響で、 ファンタジーというジャンルそのものが、一般には受け入れられにく くなっている。 そんなファンタジーに対する逆風の中で、実力のある作家が生まれてくる訳がない、と。 しかし、その間違った考えを見事に打ち砕いてくれたのが、この作品だったのです。読みやすい、流れるような文章。 緻密に構成された世界観。そして、その中でたくましく躍動する、個性的な登場人物達。 両親の離婚や殺人の記憶に苦しみながらも、長い長い旅の中で、次第に成長していく主人公、ワタル。自分の運命を変えたいとい う気持ちがあまりにも強すぎたが故に、世界を破壊して「運命の塔」へ突き進もうとするライバル、ミツル。彼らが紡ぎだした旅の物語は、 あまりにも残酷で、それでいて、溢れるような希望に満ち溢れた物でした。 「ファンタジーなんて」と避けないで、手にとって見てください。 その言葉では到底退ける事の出来ない魅力が、そこには溢れているはずです。 ゲームノベル? 宮部も好き、ロールプレイング・ゲームもファンタジー小説も好きなので、 それに「ドリーム・バスター」の世界観が新鮮だったので 期待して読んだが、期待はずれだった。1/3を読んでラストまでの流れが解った。 RPGの王道をベンツで走っているのか、というくらいの オリジナリティのない使い古された、よく言えば安定したストーリー。 幻界に係わってくる、現世の人間像の薄さ。 ゲームノベルとしてなら、いい出来だと思うが、 今更こんな内容のゲームなど、開発者のプライドに懸けて発売しないだろう。 主人公の精神面の成長は、ゲームの中でも当たり前。 この程度でファンタジー小説の金字塔と呼ばれるのなら 田中芳樹・水野良両氏は立つ瀬がないだろう。 ボロクソに書いたが、 ロールプレイング・ゲームをした事がない方、 ファンタジー小説を読まない(苦手な)方にはいいんではないかと思う。 ゲームノベル? 宮部も好き、ロールプレイング・ゲームもファンタジー小説も好きなので期待して読んだが、期待はずれだった。 1/3を読んでラストまでの流れが解った。 RPGの王道をベンツで走っているのか、というくらいの、オリジナリティのない使い古された(安定した)ストーリー。 幻界に係わってくる、現世の人間像の薄さ。 ゲームノベルとしてなら、いい出来だと思うが、 今更こんな内容のゲームなど、開発者のプライドに懸けて発売しないだろう。 主人公の精神面の成長は、ゲームの中でも当たり前。 この程度でファンタジー小説の金字塔と呼ばれるのなら 田中芳樹・水野良は立つ瀬がない。 ボロクソに書いたが、 ロールプレイング・ゲームをした事がない方、ファンタジー小説を読まない(苦手な)方にはいいんではないかと思う。 「少年」の誕生 宮部みゆきの小説のジャンルには、『少年もの』がある。(私のかってな命名です)その中の最高傑作は『ステップファザー・ステップ』であるが、『ブレイブ・ストーリー』は宮部の『少年』が誕生する経緯を描いているという読み方も出来るのではないか。宮部の少年は、純粋で賢く勇敢で、少し哀しみを背負っているのが特徴である。たいてい中学生か高校生だ。この作品のワタルは小学五年生。純粋で哀しみを背負っているけど、『賢さ』と『勇敢』はこの長い長い冒険の中で試されることだろう。 今ではすっかり有名になった宮部の『ゲーム女』ぶり。この本はゲームを小説に移しただけだという批判が当然出てきている。しかし、そういう批判をする人はこの長い長い物語を自分の金と自分の時間で愛情もって読書できないで言ったことではないだろうか。ゆっくりと読めばこの本は『ゲーム批判』の要素を充分持っている(その反対のゲームに対する愛情も充分にあるが)ことに気がつくだろう。例えばこの小説の中では『リセット』は効かない。 少年が直面する現実は、大人が直面している現実でもある。子供は子供なりにこの冒険譚を読むだろうが、大人は大人なりにこの『幻界』の世界がいかに現世を反映しているか、読み取らなくてはならないだろう。大人は子供に負けてはいけない。この作品はワタルの成長物語であると同時に、ワタルの母親の成長を影の物語として抱えていることに最後になって気がつく。 愛蔵版には謡口早苗氏の挿絵が100点以上挿入されてある。もうこのキャラ以外には想像できないぐらい上手く書かれた登場人物たちがどんどん出てくる。外箱の装丁といい、久しぶりに単行本を買った私は痛く満足した。私の姪が小学五年生になった時、この本を贈ってあげようと思う。小学五年生には難しすぎるのではないか、という意見には反対である。彼女はおそらく一つのエピソードももらさずこの世界を理解するだろうと思う。
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