證券会社の崩壊に沿って物語は進んでは行くものの、その崩壊を事細かに書かれた物ではなく、あくまでも、その崩壊の過程で主人公が、如何に生きていくべきかを模索することに主眼が置かれているため、山一證券について知りたい人にとっては物足りない内容になっている。
しかし、証券会社が如何にして企業の公開にかかわっていくかなどの記述には興味を持てた上に、主人公の最後の決断には元気をもらえ、ストーリーの割には読みやすいという点は評価できる。