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経済・社会小説

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トップ・レフト―ウォール街の鷲を撃て 小説 盛田昭夫学校 (上) エンデの島 統治崩壊 貸し込み 上 腐蝕生保 上巻 談合―裏切りの青い橋 崩壊商社 社労士一平物語 今宵、銀河を杯にして
トップ・レフト―ウォール街の鷲.. 小説 盛田昭夫学校 (上) エンデの島 統治崩壊 貸し込み 上 腐蝕生保 上巻 談合―裏切りの青い橋 崩壊商社 社労士一平物語 今宵、銀河を杯にして


トップ・レフト―ウォール街の鷲を撃て

[ 単行本 ]
トップ・レフト―ウォール街の鷲を撃て

・黒木 亮
【祥伝社】
発売日: 2000-11
参考価格: 1,995 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 48円〜
トップ・レフト―ウォール街の鷲を撃て
黒木 亮
カスタマー平均評価:  4.5
ハイレベルのデビュー作の秘密・経済オンチでも学べる作品
著者黒木亮の出版デビュー作だが、実際には第二作目である。最初に書いたのが「アジアの隼」であった。しかし、編集者から「舞台がベトナムなので、関心度が低いし、あなたは無名なので、国際金融のテーマにしたものであれば出版できる」と言われて、自らの経験を基に書き上げたのが本書「トップ・レフト」。(本人のインターネットTVでのインタビューより) この本は本当に面白かった。 本人が上記のインタビューで語っているように多様な要素で構成されている小説だった。私は、経済・金融関係は全くの素人だが、次の5つの事を学ぶことができた。 1)国際金融についての勉強ができた(知識を提供してくれた)。 2)アメリカ、欧州、日本の(金融中心だが)ビジネス観や組織の違いが分かった。 3)自分の仕事や人生についての価値観を振り返ることができた。 4)日本という国を外国からの視点で眺めなおすことができた。 5)体験した事実や情報と創作を交えた小説と言う形式での表現方法が学習できた。 是非、このレビューを読んで関心を持った全ての人に一読をお勧めしたい。
金融マンにお薦め
ぶ厚い本ですが、あっという間に読んでしまいました。「○○市場のことが分かる本」とか「○○新聞の読み方」など様々な本が出ていますが、市場の理解を深めたり、今後市場の仕事で食べて行くには、この手の本が絶対お勧めです。この一冊には、邦銀の体質、外資系銀行の雰囲気、顧客とのネゴの仕方など、ストーリーに引き込まれながら、自然とためになる要素がたくさん盛り込まれています。2人の主人公、今西(邦銀)、龍花 丈(米系投資銀)のどちらの様な人生が良いか、考えさせられる一冊です。
一気に読み進められます。
面白かった。まずは、これが感想です。あらすじはアマゾンに任せるとして、好対照な2人−1人は邦銀に残り、もう1人は米系投資銀行に移った−が織り成すドラマにドキドキします。はじめは少しずつ読んでいこうと思っていたのですが、結局2日間で読み終えてしまいました。

しかも、本書はただの投資銀行に関する小説ではなく、ロシアのデフォルトや中東の政治情勢、日本という国そのもの、といったところまで踏み込んで話を進めていきます。それは、まさに筆者の経験があったからこそ、ここまで濃密な話を展開できたのでしょう。

所々に「今、そんな傾向はないだろう」みたいな記述がでてきますが、それも昔を思い出すにはいいのではないでしょうか。
期待しすぎたのかも
シンジケートローンという未知の世界についての記述は非常に興味深く、また、トルコというこれまた未知の国についても、読み進むに連れて驚きの連続でした。
しかし、読み終えてもうひとつ物足りなさが残った。

私は、大体作家の名前で本を買い、個人的には真保裕一が好きなのですが、彼の作品であれば文字通り寝食を忘れ一気に読み進める。(途中で止めれない)しかし、この作品にはそこまでひきつけられるものはなかった。(逆に、冷静に読み進められたともいえますが・・・)

これは、新聞や雑誌などの評論を見て、読む前から勝手にトリプルAの評価をつけて期待しすぎたせいかも。
国際金融マンの熱き想いと、息詰るストーリーの展開
難しい案件を確固たる信念を持って仕上げていく主人公今西の姿に、国際金融マンとして働くことの喜びや生きがいを、作者は息詰るストーリー展開の中で見事に表現している。そして、かつて債権大国といわれた日本の象徴である邦銀が、何故過去10年間、不良債権という癌に冒され続けて今日の姿に至ったか。そのどうしようもなく日本的な体質的欠陥も容赦なく指摘されている。

 以上は、かつて作者と同様に日本の金融機関の海外現法で勤務し、同様の思いをしてきた者の感想である。しかし、国際金融に縁のない人にも仕事の中身はわかり易く説明されており、それが、よくある業界人の暴露小説といったレベルをはるかに超えた、ストーリー展開を上手く助けて、第1級のエンタ-テイメント小説に仕上げている。そして、ロンドン、ニューヨーク、イスタンブール、スウェーデンと風景描写も小説に上手く彩りをそえている。(行った人は特にそう思うハズ!)
 外資系の金融機関や日本の金融機関の実体や、そこで働くことの意味なども登場人物の会話のなかから伺え、学生を含め、こうした世界に縁のない人にも参考になろう。
 次作も期待したい。
 


小説 盛田昭夫学校 (上)

[ 単行本 ]
小説 盛田昭夫学校 (上)

・江波戸 哲夫
【プレジデント社】
発売日: 2005-04-21
参考価格: 1,600 円(税込)
販売価格: 1,600 円(税込)
 Amazonポイント: 16 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 45円〜
小説 盛田昭夫学校 (上) ※一部大型商品を除く
江波戸 哲夫
カスタマー平均評価:  4.5
展開の良さ・スピードが売り
 本書に登場する盛田氏は、世界で通用した日本人の中の一人である。即断即決・行動力・部下への任せ方が見事であり、部下がそれに応えようとする姿がさらに凄い。
 現状におごることなく、一つ一つを確実に積み上げていく姿は学ぶべき点である。
今、彼が生きていたなら・・・
盛田昭夫はホリエモンをどう評価したのだろうか?本を読みながらそんな事が頭をよぎっていました。トリニトロンを初め、ウォークマンの開発等、常に時代を切開いて行こうとする絶対的な行動力とカリスマ性が読む人を惹きつけてやまない。でも盛田氏が井深氏とともに残した最大の功績は“物”ではなく“人”である事を気付かせてくれる一冊

エンデの島

[ 単行本(ソフトカバー) ]
エンデの島

・高任 和夫
【光文社】
発売日: 2007-04-20
参考価格: 1,680 円(税込)
販売価格: 1,680 円(税込)
 Amazonポイント: 16 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 49円〜
エンデの島 ※一部大型商品を除く
高任 和夫
カスタマー平均評価:   0

統治崩壊

[ 単行本 ]
統治崩壊

・江上 剛
【光文社】
発売日: 2004-03-23
参考価格: 1,785 円(税込)
販売価格: 1,785 円(税込)
 Amazonポイント: 17 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 49円〜
統治崩壊 ※一部大型商品を除く
江上 剛
カスタマー平均評価:  4
合併銀行の暗部浮上とヒーロー行員の活躍
一本の内部告発電話で、銀行合併前の償却融資(暴力団の企業舎弟への融資)が明るみに浮上する。資金回収タスク・フォースのリーダーを命ぜられる広報担当だった主人公(根岸貴之)の活動は、頭取による会長(貴之の旧銀行での上司)追い落としの権謀にうまく利用される。さらに、秘書室担当役員が絡んだ絵画疑惑取引に関する内部告発が貴之に伝えられる。出世欲をさらけ出し自己保身に汲汲とする役員達の醜態。次々と明るみに出るコンプライアンス違反。正にガバナンス崩壊。貴之を中心に遂に若手行員がクーデターに立ち上がる。強制捜査や記者会見のシーンには臨場感がある。銀行の暗部への探索心、貴之の組織人としての信念・元上司へのおもいに共感し、ストーリーの展開に引きずりこまれた。が、貴之のようなヒーロー行員が現実にいるのだろうか...「多くの日本の経営者やリーダーが危機に際して、どれほど的確な判断と指示を下せるだろうか、疑わしい。」小説中のこの一行に、江上剛の思いが潜んでいるように受けとめた。
合併旧行の頭取案件と若手正義の味方。
平成13年4月に大日銀と朝日銀が対等合併して、大日朝日銀行が誕生した。旧朝日の檜垣頭取が会長となり、旧大日の若村頭取が新銀行の頭取となった。しかし合併銀行の常として、双方が張り合って行内融和はちっとも進まない。それにしても酷すぎる大日朝日銀行だ。また旧朝日時代からあった頭取案件が不良債権としてそのまま残っている。峰岸貴之は旧朝日出身だが、旧大日頭取直轄の広報部員であり、報告も旧朝日の会長が先か、職務ラインの旧大日頭取が先か、とても悩ましいところだ。ついに反社会的勢力との関係遮断に行内タスクフォースを組成する。リーダーの広報部の峰岸、審査部の梶原、総務部の根津、警視庁の黒木が組んで活躍する。南総里見八犬伝、七人の侍、荒野の七人を思い出させるところは正義の味方として爽快である。一方でこんな会長、頭取、或いは専務に常務は流石にいる訳ないだろうという、いつもの江上作品特有のやや非現実的設定であった。もう少し現実的な人物設定にして、快刀乱麻金融小説を期待したい。
タイムリー
大手銀のいくつかは、これはとは違ったシナリオを
たどっているものの、問題の所在を具体的に示しているという
点ではよいと思う。ただ、いろいろな読者がいるので、
出鼻からセックス描写を延々とやるのはなんとかならないか
(要請されたのならば、次は「こういう声もある」と、
お使いください)。
ストーリー展開がちょっと早すぎ
非情銀行、起死回生に比べ、ストーリー展開が速すぎる。よく言えば、いろいろな内容を詰め込んでいる。
だけど単行本1冊では、出来事が中途半端で消化不良です。
自分も銀行員ですので、内容は理解しやすいのですが、ちょっと現実離れといったところでしょうか。
でもその分、あっという間に読ませていただきました。

貸し込み 上

[ 単行本 ]
貸し込み 上

・黒木 亮
【角川書店】
発売日: 2007-09-26
参考価格: 1,470 円(税込)
販売価格: 1,470 円(税込)
 Amazonポイント: 14 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 96円〜
貸し込み 上
黒木 亮
カスタマー平均評価:  4
黒木氏の著作としては微妙
本書は著者の作品としては異色の物で、所謂国際金融ものではなく、本人の実体験に基づく バブル期の邦銀の貸し込み事件を描いたもの。実体験が基になっているためか、主人公と 敵対する人たち(主人公の夫や、大淀銀行の人たち)が極めて悪し様に描かれており、 読後感があまり良くない。「トップ・レフト」「アジアの隼」の後、黒木氏の著作に パワーダウンを感じるのは私だけでしょうか? もう一点、黒木氏の著作、特に日本を舞台とした本書や「巨大投資銀行」にも感じた 事ですが、実際に登場人物が絡む組織名は仮名、それ以外の組織は実名と言うのは 違和感ありませんか?私はすごく違和感を感じました。
訴訟の実情を描ききる
弁護士や当事者の動きがリアルです。 弁護士、訴訟の描き方がリアルなのはよく分かるので、 きっと銀行内部の描き方も「リアル」なんだと思います。 そう思って読みました。 やはり黒木さんの小説は、何を描いても描ききっています。 下巻、まだ右近に対する反対尋問のところまでしか読んでいませんが、 裁判長が居眠り、おじさん弁護士の間抜けな反対尋問ぶりなどが 痛烈に描かれています。 面白い!
■銀行の体質がリアルに分かります。恐ろしいです■
・著者自身が実際に巻き込まれた事件を題材にしているせいかリアルです。  少しだけ読んだら寝ようと思っていたら一気に3時間で読んでしまいました。 ・旧三和銀行(=現UFJ銀行)の広報や法務部は本当にびっくりしたでしょうね。  濡れ衣を着せようとした単なる一平行員が、  まさかブレイク寸前の作家で なおかつ  マスコミをも使って正々堂々戦う猛者だったとは。非常に痛快です。 ・この著作から  バブル期にどれほど酷い融資が横行していたか、  巨大銀行という組織が如何にゴミ貯めと化しているか、  が鮮明に分かります。  (USで起きたサブプライム融資の現場も同じようなものだったのでしょう。   時代は過ぎて、国が違っても金融業のモラルに変わりは有りません。) ・また、日本の裁判制度の問題についても切り込まれています。 →非常に面白かったです。
業界を離れて
トップレフト、青い蜃気楼はとても読み応えのある本で、文章に勢いがあり、自分が吸い込まれてしまう感じがしました。しかし、金融の現場を離れて久しいためか、この作品は単なる推理小説の延長となってしまった気がします。金融のどろどろとした世界を表現するのにあまりにあっさりとしているのは残念でした。
小説としての面白みには欠ける
本書は著者の体験を下に書かれた小説ということで、かなり期待して読んだが、小説なのか実録なのかの境目が曖昧な中途半端な作品であった。 ストーリーは今はバブルの時代の某都銀が、重症の脳梗塞に倒れて知的判断能力のない女性に巨額の融資をしてその家族と裁判になっているケースにおいて、そのような融資を行った責任を退職して海外に在住している元行員(黒木氏がモデル)になすりつけたため、その元行員が家族と協力して銀行と裁判で争うというなかなか興味深いテーマだ。 知的判断能力のない女性を食い物にして、行員が借入契約書に代筆して無理やり借入を行わせたのみならず、その責任を退職者に押し付けたり、裁判でも平気で嘘の証言を繰り返す銀行の姿は、これが事実であるとしたら驚きを通り越して呆れるほかないモラルの低さである。 但し、本書の問題はそこにある。事実を基に書かれているがフィクションであるため、どこまでが事実でどこからが著者の創作であるのかわからないのである。裁判の状況が延々と描かれていたり、この銀行が金融庁検査で書類を隠したり、その後別な都銀に合併される後日談まで記述されているため、ほぼ事実のようにも思えてくるが、巻末にはフィクションと記載されている。 黒木氏の他の作品はどれもプロフェッショナルに生きる人間の生き様が描かれており楽しく読めたが、本書は個人的な恨みが強く現れているせいか、裁判の様子が延々と執拗に描かれており、小説としては面白くないし、銀行側の登場人物がモデルになった人が可愛そうなぐらいモラルが低い人間として描写されており読後感も悪かった。

腐蝕生保 上巻

[ 単行本 ]
腐蝕生保 上巻

・高杉 良
【新潮社】
発売日: 2006-11-14
参考価格: 1,890 円(税込)
販売価格: 1,890 円(税込)
 Amazonポイント: 18 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 46円〜
腐蝕生保 上巻 ※一部大型商品を除く
高杉 良
カスタマー平均評価:  3
会社内部のウダウダした話
モデルがあるのかもしれないが、これだけ読むと会社内部のウダウダとした出世競争の話にすぎない。もっと社会問題に切れ込むような視点がないと・・・。登場人物のキャラがさっぱり浮き立ってこない。描写が浅いという印象。「流刑地」みたいに性的描写が続きすぎるのもちょっとどうかと思うが、なんかとってつけたような「浮気」関係の場面があるのも、なんだか・・・・。
業界用語が分からない者には無理
正直読み慣れない分野の小説でとまどった。 経済小説が好きな男性向けなのか。 全く業界知識のないものには、読みにくかった。 まず、カタカナ英語のままの業界用語がわからない。 この程度の知識のないものを読者として想定していないのか? 女性の立場で読むと結構違和感がある。 何度も主人公をトイレに行かすなよ、そんなこと読みたくないとか。 有能な女性がどうして主人公と浮気したがるのか、単に男の願望じゃないのとか 内容も「腐蝕生保」なんて言うから生保全体の在り方に警鐘を鳴らすのかと思うと、 一生保の内部の出世競争、男の嫉妬、トップが悪いとこんなに会社は活気をなくす、ゴマすりばかりになる そんな中で一人正義の勇士の奮闘みたいな話で終始する。 生保で働くセールスレディの厳しさ・ノルマの過酷さなど教えられたことも多いが、 結局中途半端で終わってすっきりしない。
取材は素晴らしいが描写が薄っぺらい
日本生命をモデルとしており、内部者を味方に付けて綿密に取材を行っていることがよく分かる。相互会社であるためにこれまであまりその実態が世間に明らかとされてこなかった生保の経営のひどさを深くえぐっており、この点は評価。ただ、これは高杉良の小説に共通して言えることなのだが、夫が浮気は当然の猛烈サラリーマンで妻が貞淑な専業主婦という古典的な家族像を前提としているところ、そして意図的になのか社内の権力闘争を膨らまして書きすぎているところが薄っぺらく感じてしまい、ちょっと描写に嫌悪感を持ちながら読み進める感じ。せっかくよい取材をしているのにもったいない。また、この小説、エンディングが中途半端なのだが、続編を前提としているからなのだろうか。ちょっと読了後の後味が悪かった。
帯の文句に釣られたけれど・・・
「ここまで書いていいのか?!」私は生命保険業界の仕組みに興味があり読み始めました。確かにそれと分かる企業名、登場人物、地名設定そして1エリートとしての主人公設定等々舞台は出来上がりました。しかし主人公にすら私は魅力を感じませんでした。あらゆる登場人物がステレオタイプであり、2時間ドラマ風です。舞台が具体的であればあるほど登場人物が浮いてしまう、フィクションとノンフィクションの狭間を縫わなければならない小説の限界かも知れません。個人としてもチームになっても「サラリーマンてこんなに単純じゃあないよね」「もっと考えるよね」と自問自答しながらの読書となりました。舞台装置としての生保の仕組みは分かったけどどんな人が働いて生活をしているか、と言う事は見えてきません。又連載ものの為か下巻の最終ページになっても話が終わりません。この次は続編があるのかと思わせるような雰囲気も気になりました。私にとってこの本は3700円余りの無駄遣いでした。
リーマンの、リーマンによる、リーマンのための小説。
リーマンの、リーマンによる、リーマンのための小説です。社内閥や出世のための駆け引きとかいわゆるサラリーマン・パワーポリティクス的なお話のリアリティに徹頭徹尾拘った本。週刊ダイヤモンド連載小説の単行本化です。 主人公・吉原は巨大生保・「大生」の同期TOPのエリート。ニューヨーク駐在→本社国際営業部を経て、現場最前線の支社→再び本社企画部という絵に描いたような出世コースを辿りますが、経営TOPは完全に「腐蝕」・・・会社を私物化する一方で現場には過酷なノルマをつきつけることに常に疑念を抱く。「あのセイホは経営が危ないみたいですから、財務体質が完璧な我が保険に乗り換えましょうよ・・・」的なトーク、いわゆる「風評営業」のような生保営業最前線の実態を描くことにもウェイトがおかれていますが、やはり中心に据えられているのは・・・「ゴマスリ」です。これができる人。できない人。主人公・吉原は勿論、後者。サラリーマン小説の王道ですね。ミドル層なら誰しもが感じる会社組織の矛盾。成果主義と情実の狭間・・・。 お父さんには涙モノのストーリー展開ですが、何せ居酒屋でグチっても「結局何も変わらない」んじゃあ、あまりにもリアルすぎでないの?とツッコミのひとつも入れたくなります。日本の会社の常識から考えれば、吉原が後半で辞表をチラつかせながらとる行動は「蛮勇」とも言えるかもしれませんが、読者が期待するような「オオっ!!」という展開を期待しても・・・。ネタばれになりますので詳しく書きませんが、ラストの部分、これ完全に尻切れトンボじゃないですか?テンポよくかつ少々お色気系ネタもありそこそこ楽しく読めましたが、アっと言わせる展開が無くちょっと不満。お暇なら・・・というところ。

談合―裏切りの青い橋

[ 単行本 ]
談合―裏切りの青い橋

・金沢 京子
【日本文芸社】
発売日: 1995-10
参考価格: 1,325 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 45円〜
談合―裏切りの青い橋
金沢 京子
カスタマー平均評価:   0

崩壊商社

[ 単行本 ]
崩壊商社

・杉田 望
【徳間書店】
発売日: 1999-12
参考価格: 1,680 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 40円〜
崩壊商社
杉田 望
カスタマー平均評価:  2
大企業で正論は通らないのか
「いまさら企業倫理を口にするつもりはない。〜この巨大商社を今後も生き長らえさせようとするのなら、せめて世間には正直であるべきだと思うのだった。それが結ういつ生き残れる道であり、それ以外に生き残れる道はない」
「正論は正論に過ぎない。そうすると末端の管理職としてはせいぜいが与えられた作業に没頭することだ」
「個人も組織も邪悪なものを抱えていながら、なお正義を貫く。それが本当の強さだろう。」「ああいうワルを抱え込む力がなくなった」
「これからの企業は会社の課題そのもの、会社の明日を考える社員が十人中九人はいないと会社は潰れる。自分の頭で考え、行動する人間。必要なのは、そういう人間だ」
その後変わったのだろうか?
人間は弱い。やはり自分が生き残ることだけを必死で追い求めているのではないか?それはそれでよい。結局、サラリーマンにとって自分が生き残るためには会社が生き残らなくてはいけない、会社が生き残るためには社会に貢献していく健全な経済活動を行わなくてはいけない。
この社会で生きて行くためには、正しいことをしていくことが自己の幸せへの一番の近道である。
今一番大切なことが何かをきちんと見つめなおしてほしい。人生は単純だ。嘘や偽りで人生をややこしくしているものは、いつか必ず自分で自分を追い込むことになる。自己の出世のために権謀術数ばかりしていると、あなた自身の人生が狂うのだ。

社労士一平物語

[ 単行本 ]
社労士一平物語

・平井 繁利
【風媒社】
発売日: 2004-09
参考価格: 1,680 円(税込)
販売価格: 1,680 円(税込)
 Amazonポイント: 16 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 38円〜
社労士一平物語 ※一部大型商品を除く
平井 繁利
カスタマー平均評価:  1
駄作 受験生は間違って買わない事
この手の作品で、作品自体の面白さを期待するのは間違いだが、学習的な 意味でも社労士試験のプラスになるような点は一切なかった。 そして読み物としても文章は下手だし、キャラの心情も飛び飛びで感情 移入は不可能。同じような女子大生会計士シリーズや数ある法律系の 読み物とは比べるレベルに届いていない。 社労士のこの手のジャンルは珍しいので期待しただけに残念。

今宵、銀河を杯にして

[ 単行本 ]
今宵、銀河を杯にして

・神林 長平
【徳間書店】
発売日: 1987-05
参考価格: 1,366 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 36円〜
今宵、銀河を杯にして
神林 長平
カスタマー平均評価:  3.5
戦車の旅
 1987年に徳間書店から出た単行本の文庫化。  著者お得意の、戦車、機械の自意識、異生物との交戦、コミュニケーションの不可能性などのテーマが扱われている。  奇妙で、ハードな世界が描かれているという点では、神林らしさを楽しむことが出来る。しかし、読みやすくしようとの意図も感じられる。とはいえ、ストーリーはあってないようなもので、そういう意味ではちょっと退屈。神林作品としては、ハードとソフトの中間に位置する一冊だろう。
イドのふたを取れ
マヘルシャラルハシバスは機械にも個性をとして戦車につけられた「戦利品に急げ」の意味である。この複雑な名前を立てに人生を楽しみ生きる戦車兵アイラとミンゴ。異性人との戦いの中、その本質を探究にきた戦車長シャーマン。次々に「まじめに」上層部を翻弄しつつ探求する彼らは、ついに全てを答える存在に出会うが。ウィスキー好きにはたまりません。
神林長平のエッセンスが随所に現れる・・
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クスクス笑える楽しいせりふ
植民惑星で鉢合わせした異星人同志が始めた戦い。
そこでしたたかに生き延びる一台の戦車にまつわる物語。
おかしな三つ巴の様相を呈する惑星の状況設定は興味深いが、メインの楽しみとなったのは登場人物達のどこか達観した台詞。
終盤は急ぎすぎる感がある。
幸運の戦車か、はたまた呪われた戦車か
 マヘル‐シャラル‐ハシ‐ハズという長い名をつけられた故に、数奇な運命をたどることになった戦車と、その操縦士たちの物語。

 マヘル‐シャラル‐ハシ‐ハズに意志を与えようとする野生コンピュータや、人類の理解を超えた異生体、機械生命体との戦争という著者の代表作「戦闘妖精・雪風」にも共通するモチーフに、「雪風」とはまたちがった切り口から挑んだ意欲作。
「雪風」との最大の違いは「主人公たちが脳天気である」ということだろう。

 いつも酒ばかり飲んでいる主人公たちにのせられて、なんだか酔っぱらったような酩酊感と共に、一気に読み終えてしまった。
 とにかく機械であれ、人間であれ、難しいことはさておき生きているということは素晴らしいことだ、と単純に感じさせてくれる作品。
 惑星ドーピアという奇妙な惑星の歴史の謎があかされていく経緯も、読み応え在り。


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 更新日 2009年7月11日(土)  ※ 表示価格は更新時のものです!      メール      相互リンク